
イスタンブール:トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ロシアのウラジミール・プーチン大統領との電話で、シリアとトルコの国境に安全地帯となる30kmの回廊を設置するよう要求した。エルドアン大統領の事務所が11日に声明を出した。
エルドアン大統領は、トルコ政府がテロリストと見なすクルド人過激派に言及し、トルコ、ロシア間の2019年の合意に従ってシリア北部に回廊を設置することの「重要性と緊急性」を繰り返した。声明ではこのように付け加えられた。
この電話会談は、6人が死亡し、数十人が負傷した11月13日のイスタンブールでの爆弾攻撃への対応としてトルコ大統領がシリアとイラクで空爆と砲撃を開始してから3週間後に行われた。トルコ政府は、クルド労働者党(PKK)と同党のシリアの関連組織であるクルド人防衛隊(YPG)が爆撃を行ったと非難している。
どちらのグループも攻撃への関与は否定している。
PKKは38年間にわたりトルコに対する反政府活動を行っており、それにより何万人もの命が失われた。
PKKは、トルコ、アメリカ、EUからテロ組織に指定されている。
しかし、YPGはアメリカやEUからテロ集団として指定されておらず、アメリカが主導するシリアでのダーイシュに対する戦いで、先頭に立ってきた。
エルドアン大統領は、シリア北部への攻撃に続いて、地上戦を展開すると脅している。
今年初めに計画されたトルコの侵攻は、この地域に駐留するアメリカとロシアの反対により中止された。両国はこの地域に軍事拠点を抱えている。
2019年にトルコと締結した協定の下、ロシアはトルコ国境とYPG軍との間にシリア軍とロシア軍警察が管理する緩衝地帯を設置することを約束した。
ロシア、シリア両政府軍と、米軍の一部が国境地域に駐留しているが、合意内容は完全には履行されなかった。
シリアの指導者バシャール・アサド大統領の主要な支援者であるロシア政府は、これまでシリア北部でトルコと緊密に連携してきた。そしてここ数ヶ月は、トルコ、シリア両政府間の和解を推進している。
エルドアン大統領とプーチン大統領の電話会談は、今週、ロシアのセルゲイ・ヴェルシニン副外務大臣がシリア情勢に関する話し合いのためにトルコを訪問した後に行なわれた。
クレムリンは、電話会談の内容を伝える声明の中で、ロシアとトルコの国防省と外務省の間で「緊密な連絡」が維持されると伝えた。
AP