
パリ: 国際プロサッカー選手会(FIFPRO)はイランのアミール・ナスルアザダニ選手が3か月にわたってイランを揺るがしている抗議デモ活動に関連したとして死刑の危機に直面していることに「衝撃を受け嫌悪感に襲われている」と述べた。
日曜のイラン学生通信(ISNA)が伝えたところによると、イスファハン司法責任者アブダラ・ジャファリ氏は、アミール・ナスルアザダニ選手はイスファハン市で9月16日に警備局員3人が死亡した「武装暴動」に参加したとしてその2日後に逮捕された、と話している。
ジャフリ氏によるとこの26歳の選手は 「反乱、違法ギャングへの参加、セキュリティを弱体化させる計画への共謀、それらによるモハレベ支援-すなわちイスラム共和国において死刑に相当する重罪である「神への敵意」で告発された。
FIFPROは「FIFPROはイランで女性の権利と基本的自由のために運動したプロサッカー選手のアミール・ナスルアザダニ氏が処刑の危機に直面しているという報道に衝撃を受け、嫌悪感に襲われている」と月曜遅くにツイート。
「私たちはアミールと連帯し、彼の刑罰を直ちに取り下げるよう求める」とした。
この警告は抗議デモで逮捕された若者2名が過去数日間で処刑されたのを受け、世界的な非難が起こった後に鳴らされた。
16歳以下の代表選手として活躍したナスルアザダニ選手は、テヘランのチーム、ラーフ・アーハンでサッカーキャリアのスタートを切り、イランの一流リーグで初めてプレイした。
ナスルアザダニ選手はディフェンダーとして元ウェールズ監督のジョン・トシャックのもとトラークトゥールSCで短期間プレイ。現在はイーラーンジャヴァーンFCに所属。
元イラン代表のスターで、抗議活動を熱心に支援しているアリ・カリミ氏も、ナスルアザダニ選手を支持し、ツイッターで「アミールを処刑しないでくれ」と訴えた。
同国代表チームは、W杯カタール大会のチーム初戦となったイングランド戦で、国歌斉唱を拒否するという独自の抗議を行った。
しかしながらその後のウェールズ戦とアメリカ戦では一転して国歌斉唱している。
イランは、イラン系クルド人のマフサ・アミニ氏(22)がイスラム共和国の女性への厳しい服装規定に違反したとして道徳警察に逮捕され9月16日に死亡した問題がきっかけとなった抗議デモに直面している。
アムネスティ・インターナショナルによれば抗議デモに対し11人が死刑宣告を受け、そしてナスルアザダニ選手を含む少なくとも9人が死刑宣告の危機に瀕している。
イランはデモを「暴動」と呼び、海外の敵にけしかけられているとしている。
著名な元イラン代表のスター、ヴォリア・ガフーリ氏は抗議デモを後押しし弾圧を非難したことで先月イランで逮捕されたが釈放されている。
AFP