
テヘラン:イランは15日、マフサ・アミニさんの死を引き金とした抗議デモへの同国の対応をめぐり、米国が「国連女性の地位委員会」からイランを除名するよう主導したと非難
イランでは、年若いクルド系イラン人アミニさんが国の定める女性服装規則に違反しているとして逮捕され9月16日に死亡して以降、抗議の波が広がっている。
暴動で数百人が殺害され数千人が逮捕されている事態が国際的な非難を呼び、14日、イランは「国連女性の地位委員会(UNCSW)」から除名された。
イランは米国を名指しし、除名はイランの大敵である米国の手回しによる結果であり、「法的正当性」に欠けるものだと非難した。
外務省のナセル・カナニ報道官は「米国のこの一方的な行動は…一方的な政治的要求の押し付けであり、国際機関における選出手続きを無視したものである。正当な手続きを経て委員に選出されたメンバー国を除名するのは政治的不当で国連の信用を傷つけるものであり、また国際機関において恣意的な手続きが容認される前例となる」と述べた。
イランは4月に4年の任期で同委員会に選出されたが、即座に委員としての地位を剥奪された。
この決議の採択には単純過半数が必要であったが、国連経済社会理事会(ECOSOC)を構成するメンバー国のうち、29カ国が賛成票を投じ決議が可決された。ロシアと中国を含む8か国は反対票を投じ、16か国が棄権した。
国連決議には、イラン当局は「しばしば過度の力を用い、表現や意見の自由を含めた女性や少女の人権に対する毀損行為を継続し、抑圧を強めている」との文言が盛り込まれた。
イランの人権高等評議会のカゼム・ガリババディ議長は、米国がこの決議を支持しているのは自国の利益を保護するためだとし、米国はイランに対して「虚偽に満ちた偽善的声明やコメントを発することにより、米国の人道にもとる反人権的な利益と目標を追求しているだけである」とツイッターに投稿した。
イランは12月3日、暴動により治安要員も含め、200人以上が殺害されたと発表した。
海外に拠点を置く人権団体は、イランの治安部隊がこれまでに450人以上の人々を殺害したと伝えている。
イランは抗議デモに関連して11人に死刑判決を下し、過去 1 週間で 2 件の処刑が行われた。
人権活動家たちは、他にも十数人が死刑判決につながる可能性のある罪に問われていると述べている。
AFP