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レバノン国民、深刻な経済危機もクリスマス休暇の雰囲気作り

2020年12月11日、クリスマスを前に、サンタクロースの衣装を着用し、白熊に扮した若者たちとともに首都ベイルートのジェマイゼ地区のグーロー通りをパレードするレバノン人女性。(AFP)
2020年12月11日、クリスマスを前に、サンタクロースの衣装を着用し、白熊に扮した若者たちとともに首都ベイルートのジェマイゼ地区のグーロー通りをパレードするレバノン人女性。(AFP)
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25 Dec 2022 06:12:42 GMT9
25 Dec 2022 06:12:42 GMT9
  • 国連によると、約150万人のレバノン人が1日2.15ドル未満で生活する貧困ライン以下の生活を送っているという
  •  2019年の通貨暴落以来、クリスマスプレゼントや装飾品は多くの人にとって手の届かないものとなっている

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノン国民は休暇を迎える準備を進めているが、彼らの喜びの大きさは、懐の温かさに比例する。

ベイルートとジュニエ、ジュベイル、バトルーンといった沿岸部の主要都市における一部の商店街は、ソーラーパネルや自家発電機で動くクリスマスライトで飾られており、数カ月前に暗闇に陥った街の休暇を明るくしようと試みていた。

ショッピングモールは買い物客でごった返しており、社会的な差異がはっきりと見て取れる。あるおもちゃ屋の店主はアラブニュースにこう語った。「値段も聞かずに高いおもちゃを買う人もいれば、店内を回って値段を比較し、一番安いものを買う人もいます」

衣料品店ではさらにその差が顕著だ。高級店では購入者が非常に限定的である一方、近年人気のある安いアウトレット店は買い物客で溢れかえっている。

シリア沖で沈没した移民船の難破で溺死した犠牲者の1人の遺体を抱え、スローガンを唱え行進する追悼者たち(AFP)

しかし、最も多くの買い物客が集まるのはスーパーマーケットや食料品店だ。買い物客らは高価格の商品と品質の低い地元の安い商品のどちらを選ぶかという苦悩に直面している。

公共の広場では、特に子どもたちのために楽しい雰囲気を作り出そうと、期間限定のクリスマスマーケットが開かれた。ある来場者はアラブニュースに対しこう語った。「このような活動は、本当にクリスマス気分を盛り上げてくれます。多くの人が外出しているのを見るのは嬉しいです。状況は厳しいですが、私たちはそれを乗り越えようとしています」

銀行員のクローディンさんは、アラブニュースにこう語った。「みんなそれぞれのやり方で祝日を祝う準備をしています。私は今年、クリスマスツリーを飾り付けしませんでした。飾り付けは高すぎるのです。クリスマスツリーは400万から1,500万レバノンポンドで、私の給料より高いんです。6個入りのオーナメントは最低でも50万レバノンポンドです」

ファーン・エル・チェバクにあるデコレーション・ショップの店主はこう語る。「クリスマスツリーの飾りの値段は2,500万レバノンポンド(闇市場レート「4万5,800レバノンポンド=1米ドル」に基づけば545ドル)に達しています」

「すべては、その人の給料と購買力次第です。例えば、民間企業の社員は給料の一部をドルで受け取るようになったので、他の人よりも大きな金額を使うことができます」

2児の母で教師をしているメイさんは、アラブニュースにこう語った。「今年はクリスマスイブのディナーを優先しています。人はどんな状況でも幸せになりたいと思うもので、夕飯の食卓はシンプルなものでも豪華なものでも、家族全員がひとつになるのです」

クリスマスの料理は何百万レバノンポンドもかかる。クリスマス用の七面鳥の値段は150ドル(687万レバノンポンド)を下らず、チーズ250gの値段は30万レバノンポンドを下らない。ブッシュドノエルケーキは最低でも90万レバノンポンドである。

このような価格に直面し、家族は新しい携帯電話や金の宝石など高価なプレゼントの交換を控えている。

レバノンの首都ベイルートのアシュラフィエ地区にある、サシーヌ広場で行われたクリスマスツリーの点灯式で喚起する人々。(AFP)

レバノン市民のノハドさんは、クリスマスプレゼントをもらうより、誰かに薬代を負担してもらいたい、とアラブニュースに語った。

ベイルート・アメリカン大学が今年行った生活費に関する調査では、「レバノンの家庭が食料を確保するためには最低賃金の5倍は必要」という結論が出ている。

ベカー地方の若い女性セバさんは、アラブニュースにこう語った。「みんな暖房用の燃料を買うことができなくなり、休暇中の寒い夜を毛布にくるまって過ごしたり、薪やディーゼルの代わりに暖房器具で服や靴を燃やしたりしています」

2019年の財政破綻により、レバノン全土で貧困が拡大している。国連の西アジア経済社会委員会によると、1日2.15ドル(約11万4,000レバノンポンド)未満で生活する貧困ライン以下のレバノン人は150万人を下らないとされている。現地通貨はドルに対して95%以上の価値を失っている。

ベイルートのラフィク・ハリーリ国際空港には、休日を家族と過ごしたい駐在員を乗せた飛行機が毎日何十機も到着している。

レバノン観光省のワリード・ナサール大臣は、同省が打ち出した「冬に帰ろう」というキャンペーンの一環として、この連休中に約50万人の外国人旅行者が到着し、最大で20億ドルの収入を得られる可能性があると予想していた。

2020年8月のベイルート港の爆発で大きな被害を受けたいくつかのホテルは、最近になって再開された。ホテルオーナーズ組合の代表であるピエール・アル・アシュカール氏は、この連休にホテルやスキーシャレーに多くの予約が入ることを期待していると語る。

レバノンの首都ベイルートのコーラ橋の下、選挙ポスターの下の歩道に座る物乞いとその子供たち。(AFP)

一方行政面では、政治的相違が依然として新大統領の選出を妨げている。特に無法地帯と化した国家における治安への不安が高まる中、それがこの状況に不満を募らせる市民の怒りを買っている。

中央安全保障理事会は、混乱を防ぐための措置をとっている。ある治安関係者は以下のようにアラブニュースに語った。「その措置とは、治安パトロールの実施、各地域での検問所の設置、教会や礼拝所の前への治安部隊の配置などです」

「軍人の約90%が待機します。これらの措置はすべて、治安が維持され、すべての事項が治安機関の管理下にあることを人々に知らせることを目的としています」

レバノン・モーターサイクル・クラブ、YASA協会、フリーダム・ライダー協会は、国内治安部隊の支援を受け、休暇中の交通安全に関する啓発キャンペーンを実施した。

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