
エルサレム:元幕僚長を含む1000人以上のイスラエル空軍の退役軍人は26日、同国の新政権に厳しい姿勢で臨むよう司法当局の高官に要請した。
退役軍人はイスラエル最高裁判所の長官やその他の高官に宛てた書簡において、宗教政党と超国家主義政党が手を組んだことでイスラエルの未来が脅かされている、と訴えている。書簡は新政権の発足まで数日というタイミングで送付された。
「私たちのグループは社会のあらゆる階層・党派で構成されている。私たちは今、イスラエルという民主国家が危機に晒されているという懸念を共有している」と書簡は述べている。
そして司法当局を「最後の防衛線」と呼び、「この国を襲っている災難を止めるためにあらゆる手段を尽くすように」求めている。
1200筆近く集まった署名には、ダン・ハルツ氏(2005~07年に参謀総長)、アビフ・ベン・ヌン氏(元空軍司令官)、アモス・ヤドリン氏(元情報局長)なども名も連ねている。3人とも戦闘機パイロットとしての経験がある。
かつて首相を務めたベンヤミン・ネタニヤフ氏と超正統派政党や極右政党の連合勢力は、11月1日の選挙の結果、議会で多数派となった。
連立政権を巡る交渉はまだ決着していない。だがネタニヤフ氏は、国家警察やヨルダン川西岸地区での入植に関する権限を極右勢力に与える取り決めに次々と署名している。
新政権は、汚職事件で投獄された政治家が、別の税違反での執行猶予期間中に閣僚となれるような法律を推し進めている。さらに別の法的変更も推進すると見られているが、それは司法の力を弱め、ネタニヤフ氏の免責につながるとの声が上がっている。
25日、同氏はLGBTQに関する発言について同僚を戒めた。
ネタニヤフ氏は29日に新政府の長として首相に返り咲く。
AP