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イラン、女優のタラネ・アリドゥスティ氏を3週間の拘留後に釈放

第75回カンヌ国際映画祭において「レイラの兄弟」の会見・撮影会に出席したイランの女優タラネ・アリドゥスティ氏。カンヌ、南フランス、2022年5月26日。(AFP/資料写真)
第75回カンヌ国際映画祭において「レイラの兄弟」の会見・撮影会に出席したイランの女優タラネ・アリドゥスティ氏。カンヌ、南フランス、2022年5月26日。(AFP/資料写真)
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05 Jan 2023 08:01:10 GMT9
05 Jan 2023 08:01:10 GMT9
  • トップサッカー選手の娘のアリドゥスティ氏は、長年、女性と市民の権利の擁護者と見なされている。

パリ: イラン当局は、抗議運動の支持を理由として3週間近く拘束していた人気女優のタラネ・アリドゥスティ氏を水曜日に保釈した。

アリドゥスティ氏は、イラン映画界において最も高く評価されたスターの1人で、オスカーを獲得した2016年の映画「セールスマン」を含むアスガル・ファルハーディー監督作品の受賞作品複数に出演し、国際的な名声を得ている。

アリドゥスティ氏の拘留は、映画業界からの非難の声を引き起こし、数千人が逮捕者を出しながら3ヶ月以上継続した抗議行動に対する当局の弾圧に対する不安を増大させた。

「私のクライアントが本日 (水曜日) 保釈されました」と、弁護士のザーラ・ミノイー氏がISNA通信に語った。

新聞のシャーグ紙を初めとするイランの各メディアは、花束を抱えテヘランのエビン刑務所から解放されて歩くアリドゥスティ氏の写真を掲載している。保釈直後のアリドゥスティ氏の写真で特筆すべき点は、イランの厳格な服装規定に明らかに反し、ヘッドスカーフを着用していない点である。

マニ・ハギギ監督やサイード・ルスタイ監督を初めとして、まだ国内に留まっているイラン映画界の主要人物たちがアリドゥスティ氏を迎えるためにかけつけた様子も同氏の保釈を伝える写真は示している。

他の写真では、自動車に乗ったアリドゥスティ氏は舌を突き出し、勝利を意味するVサインを見せている。

「イラン女優タラネ・アリドゥスティ氏、3週間の拘留後に釈放。素晴らしい喜びと安堵感!」と、カンヌ国際映画祭はツイートした。「ずっと関わり続けよう!」と、カンヌ国際映画祭は付け加えている。

厳しい服装規定に違反した容疑で逮捕されたクルド系イラン人のマフサ・アミニ氏が拘留中の9月16日に死亡して以来、イランでは抗議行動が続いている。

アリドゥスティ氏 ( 38歳) は、抗議行動を支持する一連の投稿をソーシャルメディアに行った後の12月17日に逮捕された。彼女の投稿には、ヘッドスカーフを外す様子や抗議者の処刑への非難が含まれていた。

女優のケイト・ウィンスレット氏や俳優のマーク・ライランス氏、映画監督のペドロ・アルモドバル氏を含む世界中の600人以上のアーティストが、アリドゥスティ氏 の釈放を求める公開書簡に署名していた。

アリドゥスティ氏の逮捕は、「全国的な『女性、声明、自由のための抗議行動』に対するイラン政権の残酷な弾圧の一環としてのイランの有名人に対する警告だった」と、ハリウッド俳優のマーク・ラファロ氏のインスタグラムに掲載された嘆願書は述べている。

アリドゥスティ氏は今年のカンヌ国際映画祭に出席し、同氏が出演し高い評価を受けているルスタイ監督作品「レイラの兄弟」をプロモートした。

アリドゥスティ氏は、ファルハーディー監督が国際的な名声を得る以前の初期2作品「美しい都市 (2004年)」と「水曜日の花火 (2006年)」に出演した。

アリドゥスティ氏は、以後、ファルハーディー監督の「彼女が消えた浜辺 (2009年)」にも出演し、この作品はベルリン映画祭で最優秀監督賞である銀熊賞を受賞した。その後、「セールスマン」でアリドゥスティ氏はファルハーディー監督と再度タッグを組んだ。

イランの元トップサッカー選手の娘であるアリドゥスティ氏は、長年、女性と市民の権利の擁護者と見なされている。

11月9日、アリドゥスティ氏は、スカーフを着用せず、抗議行動の主要なスローガンである「女性、声明、自由」と書かれた紙を持った自身の画像をソーシャルメディアに投稿した。

ソーシャルメディアへの投稿で、アリドゥスティ氏は、イランを離れないことを誓い、「自分の権利を守るためにどのような対価でも払う」用意があると述べていた。

800万人のフォロワーを有するアリドゥスティ氏のインスタグラムのアカウントは、彼女の逮捕以来アクセス不能となっている。

アリドゥスティ氏の直近のソーシャルメディアへの投稿は12月8日付で、モーセン・シェカリ氏 (23歳) が今回の抗議行動関連で政府当局に初めて処刑された人物となった日だった。

「あなたの沈黙は弾圧行為と弾圧者たちへの支持を意味することになります」と、アリドゥスティ氏はインスタグラムで述べた。

12月12日には、マジドレザ・ラナバード氏 (23歳) が公開絞首刑となり、処刑された人物は2人となった。抗議行動参加者たちは処刑のリスクが高まることを怖れている。

司法当局のミザンオンライン通信は、「自身の主張の一部に関連した書類を提出しなかったため」アリドゥスティ氏は逮捕されたと述べている。

ミザンオンライン通信は、「何人もの著名人」が、「街頭での暴動を支持する挑発的な内容」を公開してきたことを憂慮している。

オスロを本拠地とするイラン・ヒューマン・ライツは、イランの治安部隊が少なくとも抗議行動に参加していた476人を殺害したと述べた。イラン当局は、通常、抗議行動を暴動と表現する。

AFP

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