チュニス:チュニジアの私服警官が21日早朝、軍事裁判所の判決後、カイス・サイード大統領に批判的な著名人一人を拘束したと、被拘束者の弁護士が述べた。
ザイフェディン・マフルフ氏は、2021年3月のチュニス空港でのにらみ合いの際、警察を侮辱した罪で有罪となっていた。
弁護士が投稿したフェイスブックの動画によると、イスラム国家主義政党アル・カラマのマフルフ党首は、車に押し込まれる前に「クーデターを打倒せよ」「チュニジア万歳」と叫んでいたそうだ。
権利保護団体によると、チュニジアではサイードによる権力掌握以来、民間人に対する軍事裁判がますます一般的になっているという。
チュニジアの軍事控訴裁判所は20日、マフルフ氏に即時発効の14か月の禁固刑を言い渡したと、同氏の弁護士イネス・ハラス氏は述べた。
裁判所は当初、マフルフ氏に5か月の実刑判決を下していた。
「午後11時、私服警官25人ほどがマフルフ氏の家を取り囲んだ」とハラス弁護士は言う。
2時間のにらみ合いの後、「警官たちは家に入ってきて、マフルフ氏は警官たちと一緒に出て行った」
マフルフ氏は、2021年7月に議会を凍結し、広範な行政権を掌握したサイード大統領を批判する著名人物だ。批判者たちはこれを「クーデター」と呼び、10年以上前の「アラブの春」の反乱から生まれた唯一の民主主義に対する攻撃であるとしている。
サイード大統領はその後、司法権を掌握し、自らの政権にほぼ無制限の権限を与える新憲法を強行成立させた。
マフルフ氏は2021年3月、アル・カラマの議員グループを率いてチュニス空港に行き、搭乗を禁じられた女性に対する渡航禁止措置を解除するよう当局に迫り、にらみ合いを引き起こし、この様子はネット上で広く共有された。
裁判所は20日、他のアル・カラマの議員数名と弁護士1名にも短期の実刑判決を下したが、彼らはすぐには拘束されなかった。
野党連合「国民救済戦線」(NSF)の代表は、21日、ジャーナリストに対し、この判決は「復讐の精神」を反映していると述べた。
アーメド・ネジブ・チェビ氏は、「私たちは自由の殺害と民主主義の破壊を目の当たりにしています」 と述べた。
「民間の反対勢力や政治的敵対勢力の指導者たちを排除したいという願望が存在しています」
20日遅くに大統領府のフェイスブックに掲載された声明では、「すべての腐敗した人々と、自分たちは法を超越すると信じている人々に対処する」取り組みを呼びかけている。
AFP