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サウジと日本の関係深化に新たな一歩

2023年7月12日、ビリニュスで開催中のNATO首脳会議で、インド太平洋地域のパートナーとの会議開始を待つ岸田文雄首相。(AFP=時事)
2023年7月12日、ビリニュスで開催中のNATO首脳会議で、インド太平洋地域のパートナーとの会議開始を待つ岸田文雄首相。(AFP=時事)
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16 Jul 2023 02:07:06 GMT9
16 Jul 2023 02:07:06 GMT9

今次岸田総理大臣のサウジアラビア訪問は、2020年の故安倍総理以来、初の日本の首脳による訪問であり、駐サウジアラビア日本国大使として、この瞬間に立ち会えることを心から光栄に思います。多くのイベントや会議がオンラインで実施されるようになってきた近年ではありますが、直接会って、膝をつき合わせて話をすることほど、人と人、ひいては国と国の関係を深化させる機会はありません。その意味で、この度の総理訪問は、日・サウジ関係発展に向けた新たな一歩となることを確信しております。

近年、日・サウジ関係はエネルギー分野に留まらず、政治・経済・社会あらゆる分野においてますます多様化しています。中東地域の平和と安定のため、当事者間の対話を仲介し、寛大な人道・開発支援を提供するサウジアラビアとの連携は、地域及び世界の安定と繁栄を実現する「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンを推進する日本にとって、必要不可欠です。

経済面では、官民を挙げた二国間協力が活発化しています。サウジアラビアは「サウジ・ビジョン2030」の下、全国民が一丸となって経済社会改革に取り組んでおり、その熱量に日々、感銘を受けております。日本もサウジアラビアの改革努力の達成に向けて積極的に協力すべく、両政府間の連携枠組みとして、2017年に「日・サウジ・ビジョン2030」を立ち上げました。この枠組みの下、昨年はファーレフ投資大臣が第6回目となる閣僚会合出席のため訪日されました。また、ファイサル外務大臣が2度訪日され、林外務大臣と様々な分野における両国の友好関係発展につき協議されました。さらに、アル・ホゲイル住宅大臣の訪日では、住宅分野での覚書が締結され、その機会に我が国が誇るスマートシティの1つを視察されました。加えて西村経済産業大臣によるサウジアラビア訪問では、日サウジ・エネルギー協議が開催され、エネルギーの安定供給、カーボンニュートラル社会の実現、グリーン成長戦略における協力について協議されました。これらの協力は、両国が同じ未来を描きながら、共に歩みを進めていることの証です。

日本とサウジアラビアは、言葉も、文化も、地理的にも、一見かけ離れた存在ではありますが、その分互いの足りない部分を補っていけるような、厚い信頼と友情に象徴される関係を築いて参りたいと思います。そのためにも、お互いをより深く理解できる文化・社会的交流機会が増えることを切に願っております。

最後になりましたが、岸田総理大臣のサウジアラビア訪問に際し、国民の皆様に言葉を届ける機会を与えてくださったアラブ・ニュースに感謝を表すると共に、サウジ政府と国民のますますの成功と繁栄を祈念します。

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