
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:フーシ派に拉致されたイエメン人2人が、フーシ派の刑務所で残虐な拷問を受けた後、死亡した。イエメンの人権活動家と現地メディアが21日、明らかにした。
彼らの死は怒りを呼んでおり、殺人者を裁くための調査や捕虜交換交渉の迅速化が求められている。
犠牲者の一人は、サウジアラビアで働く在外イエメン人のムナサー・アル・ラサスさんだ。彼は昨年7月、犠牲祭(イード・アル・アドハ)を祝うために中部アル・バイダ州にある実家に帰る途中で拉致されたとみられている。
フーシ派の代表者は20日、彼が死亡したことを彼の家族に知らせたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
イエメンの活動家や友人は「アル・ラサスさんはサヌアでフーシ派に拷問された。家族は、彼を解放するか、少なくとも居場所を教えるよう何度も求めたが、監禁者は無視した」と話した。
活動家らはまた、「イエメン兵のハディ・フセイン・サレム・アル・シャニ氏が、サヌアにあるフーシ派の刑務所で死亡した」と話した。フーシ派は週末に同氏の遺体を埋葬のために家族に引き渡したが、彼の死に関する詳細を何一つ明らかにしなかったと報じられている。
アル・バイダの第153歩兵旅団の兵士であるアル・シャニ氏は、アル・バイダ・アル・マラジェム地域の戦場で3年前に拘束され、サヌアに連れてこられた。同氏はそこで拷問を受けた。
サヌアを含むフーシ派支配地域では、フーシ派の残忍な尋問手法の犠牲者が出ている。この2人は直近に報告された犠牲者だ。
11月、人権団体「イエメンの権利と自由のためのネットワーク」は報告書で、少なくとも4200人がフーシ派の拘留施設で拘束されていると発表した。
フーシ派は2014年後半以降、147人の捕虜を処刑し、282人を過失で死亡させた、と同団体は発表した。さらに98人の捕虜が釈放後、数日以内に死亡したと伝えられている。
イエメンの人権団体や活動家は国際社会に対し、こうした残酷な行為をやめさせるためにフーシ派への圧力を強めるよう求めている。
イエメン人権侵害監視連合のムタハル・アル・バディジ事務局長は21日、アラブニュースに対し、「フーシ派の公式・非公式刑務所で過去8年間行われている拷問は、最も重大な国際人道法違反の一つだ」と話した。
同氏は、捕虜交換協定や、数千人いる戦争捕虜を解放するための議論を活性化させることを求めた。
「捕虜交換は、ストックホルム合意によって解決されていない問題の一つだ。これは多くの人に影響を与える人道問題だ。フーシ支配地域の住民だろうと、正当政府が支配する地域の住民だろうと関係ない。政治的、軍事的な理由からではなく、人道的観点から対処しなければならない」とアル・バディジ氏は述べた。国連が仲介し、イエメン政府とフーシ派が2018年にスウェーデンの首都で結んだストックホルム合意に同氏は言及した。
民間人戦争捕虜の女性親族数千人を代表する統括組織 「拉致被害者の母の会」のアマト・アル・サラム・アル・ハジ会長を含む他のイエメンの活動家は「拘留者が死亡したという知らせに親族は気をもんでいる。親族は、愛する人が同じような運命に遭うのではないかと心配している」と述べた。
「このニュースは、息子の死を待っている拉致被害者の母親たちに衝撃を与えた。母親も配偶者も息子も皆、精神的苦痛を感じている」とハジ氏は話した。