• KSreliefの統括責任者であるアブドゥラー・アル・ラビーア博士は、2018年に長時間の手術でハニーンさんを双子の姉妹から切り離した
• イスラエルの軍事行動で故郷であるガザ北部が破壊され、6歳児の行方は不明

リヤド：イスラエル軍がガザ地区を爆撃し、この地域が目撃したなかで最も激しい武力行使をエスカレートさせる5年前、1人の女児が人生の新たなスタートを切った。

2017年10月21日に姉妹のファーラーさんとの結合双生児として生まれたハニーンさんは、生後2カ月未満でリヤドのキング・アブドゥラー専門小児病院で手術を受けた。

悲しいことに生きるために必要な臓器を持っておらず、そのため寄生双生児として扱われていた姉妹からハーニンさんを分離するための複雑な手術は、完了までに15時間を要した。すでに44件の双子分離手術を成功させている小児外科医アブドゥラー・アル・ラビーア博士が執刀した。

2023年現在、貧困家庭のためのサウジ結合双生児分離プログラムの一環として、アル・ラビーア博士は134組以上の結合双生児の評価を行い、24カ国からの59組の双子を分離し、成功率は100％に近い。

サルマン国王人道援助救済センターの統括責任者でもあるアル・ラビーア博士は、アラブニュースの番組 「フランクリー・スピーキング」の最新エピソードで、「我々は双子の両親を笑顔にし、2018年には（ハニーンさんを）ガザに帰すことができました」と語った。

パレスチナ児童救済基金は今年5月、現在6歳になるハニーンさんが、足の欠損や腎臓の問題などの健康上の問題を抱えているにもかかわらず、元気に生きていると報告した。

「困難にもかかわらず、ハニーンさんは前向きに生きている。他の子どもたちと遊んだり、幼稚園に通ったり、歌を歌ったり、母親の家事を手伝ったりするのが大好きだ。いつも笑顔で挨拶し、家族や周りの人々にポジティブなエネルギーを与えている。ハニーンさんの将来の夢は、医者になって子供たちを助けることだ」とPCRFのサイトには書かれており、ハニーンさんは分離手術を受けたガザ地区の子供たちを支援するプログラムに参加しているという。

しかし、ハニーンさんの故郷であるガザ北部の多くがイスラエルの軍事行動によって破壊され、アル・ラビーア医師は最悪の事態を恐れている。

「ハニーンさんが生きているのか、彼女の両親が生きているのか、サウジアラビアが行ってきたこの活動のすべてが失われてしまったのか、現在の時点では不明です」「ハニーンさんと彼女の両親が生きていることを確認できるまでは、とても不安です」と同博士は述べた。