
ニューヨーク:『セサミストリート』関係の非営利教育団体であるセサミワークショップが、シリア、イラク、ヨルダン、レバノンで難民となった何十万人もの子どもたちのために、新しく地元で制作されたアラビアのテレビ番組を開始した。
セサミワークショップのソーシャルインパクト・フィランソロピー部門のシェリー・ウェスティン代表は、「現場での作業で明らかになったのは、この地域の子どもたちやトラウマ的な出来事の影響を受けた子どもたちが必要とする社会的、感情的なスキルを身につけることがいかに重要かということです」と述べた。
アラビア語で「セサミへようこそ」を意味する『Ahlan Simsim』と題されたこの番組では、エルモ、クッキー・モンスター、グローバーのほか、まったく新しい2人のマペットが登場する。その2人とは、家を去らなければならなかった少年モンスターのジャドと、この見知らぬ少年と親しくしている紫色の少女モンスター、バスマだ。Ma’zoozaという名のかわいらしいヤギがコミカルな雰囲気を加える。
各26分間のショーでは、すべての子どもたちが経験する感情を探求するだけでなく、特にトラウマのある子どもたちに関する感情を取り扱う。また、怒り、恐怖、不満、イライラ、孤独などといったの感情への対処方法が示されている。あるエピソードでは、バスマはジャドがおもちゃを忘れたので、自分のおもちゃをジャドとシェアする。腹式呼吸や芸術を通して気持ちを表現する方法などが紹介される。
各エピソードの後半のバラエティ番組では、クリエーターたちが地元の有名人を招き、メッセージを伝えるために大人の視聴者を引き付ける機会が与えられる。エグゼクティブプロデューサーのKhaled Haddad氏は、「常にユーモアがなければなりません」と述べた。
『Ahlan Simsim』は、2月2日、MBC3で初放映される。MBC3は、北アフリカ、湾岸諸国、レバント地方20カ国のアラブ全域をカバーする衛星ネットワークで、YouTubeと、同地域の国営放送局もカバーしてる。
製作はヨルダンの首都アンマンを拠点とし、この地域中の作家や出演者からの意見を取り入れている。方言はヨルダンからサウジアラビアにいたるまで多様化する。
「私たちは子どもたちと彼らの発達、そして何が必要かといった多くのことを知っていますが、常に現地の人々から学びたいと思っています」とウェスティン氏は語る。
AP