
ドイツ大使館は、欧州の一部の国で発生したコーラン焼却事件を受けて、報復攻撃の可能性があることを挙げた。
米国やその他の国は、国民に警戒を促す渡航警告を発した。
アンカラ:トルコは2日、治安上の懸念からイスタンブールの領事館を一時閉鎖した欧米諸国を非難し、「心理戦」を仕掛け、トルコの観光産業を破壊しようとしていると批判した。
ドイツ、オランダ、イギリスも今週、人口約1600万人の都市にある領事館を閉鎖した国々に加わっていた。ドイツ大使館は、ヨーロッパのいくつかの国で起きたコーラン焼却事件を受けて、報復攻撃を受ける危険性があることを理由に挙げた。米国や他の国々は、国民に警戒を促す渡航警告を出した。
トルコのスレイマン・ソイル内相は、領事館の閉鎖と渡航警告は、コロナウイルスの大流行後のトルコの観光部門の回復を阻止するための欧米の策略の一環であると述べた。
「6,000万人の観光客(を呼び込む)という目標を宣言した日に、また、5,150万人の観光客が訪れ、460億ドルの観光収入を得た時に、彼らはトルコへの新たな心理戦を始めようとした」と、反西側的な物言いで知られるソイル氏は述べた。
同大臣は、トルコは今年これまでに60もの作戦をダーイシュ・グループに対して実施し、95人を拘束したと述べた。昨年は1,000以上の作戦で2,000人近いダーイシュの容疑者が拘束されたという。
今週初め、内務省はトルコ当局が「友好国」からの警告を受けて多数の容疑者を拘束したが、武器・弾薬や暴力行為を計画していた形跡は見つかっていないと発表した。
11月には、イスタンブールの中心部に位置し、多くの外国領事館が立ち並ぶ繁華なイスティクラル通りで爆発事件が発生し、6人が死亡、数人が負傷した。トルコ当局はこの攻撃をクルド人武装勢力によるものと非難している。
先週末、トルコ外務省は、反トルコデモとイスラム恐怖症と称するものを理由に、ヨーロッパ諸国への渡航警告を発した。
この警告は、前週にスウェーデンのトルコ大使館の前で行われたデモを受けたもので、デモで反イスラム活動家がコーランを燃やし、親クルド人グループがトルコに抗議した。
これに関連して、トルコ外務省はノルウェー大使を呼び、この北欧の国で3日に予定されている抗議活動を、イベント中にコーランへの「攻撃」があるとして阻止するよう要請したと、トルコ国営放送のアナドル通信が2日に報じた。
ノルウェーの新聞VGによると、Stop Islamization of Norway(ノルウェーのイスラム化を阻止せよ)というグループが3日にオスロのトルコ大使館の外でコーランを燃やすことを計画しているという。
このグループのリーダーであるラーズ・トールセン氏はVGに対し、「トルコは西洋の自由という価値観に不寛容だという意味で」抗議活動を行う予定であると語った。
最近のヨーロッパでのデモでは、活動家がイスラム教の聖典を冒涜し、トルコやその他の地域のイスラム教徒を激怒させている。
アナドル紙によると、ノルウェー大使は、計画された行動が「憎悪犯罪」に該当し、許されるべきではないと言われたという。
AP