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トルコ・シリア地震、死者4300人超

地震の後、トルコのハタイで救助隊員が、瓦礫の下敷きになった生存者を捜索している。女性がその作業を見つめている。(ロイター)
地震の後、トルコのハタイで救助隊員が、瓦礫の下敷きになった生存者を捜索している。女性がその作業を見つめている。(ロイター)
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07 Feb 2023 08:02:45 GMT9
07 Feb 2023 08:02:45 GMT9
  • トルコの災害緊急事態対策庁(AFAD)によると、トルコでは2921人が死亡。確認された死者の数は4365人
  • 複数の都市で5600棟以上の建物が倒壊

トルコ、ハタイ:トルコとシリアの救助隊員は7日夜、凍てつく寒さの中、相次いで起きた激しい地震で倒壊した数千棟の建物の瓦礫を素手で掘り、生存者を捜索した。

トルコとシリアの国境の近くで強い群発地震が起きた後、両国で確認された死者の数は4300人以上となった。最も大きかった地震はマグニチュード7.8を計測した。

トルコとシリアの災害対応チームは、複数の都市で5600棟以上の建物が倒壊したと報告した。多数の高層賃貸マンションも倒壊した。最初の地震が起きたとき、多くの住民がマンションの中で眠っていた。

トルコ南東部カフラマンマラシュでは、目撃者は災害の規模を理解するのに苦労していた。
「この世の終わりかと思いました」と、記者であるメリサ・サルマン氏(23)は話した。「あんな体験をするのは初めてでした」

トルコの災害緊急事態対策庁(AFAD)は7日、トルコだけで2921人が死亡したと発表した。確認された死者の数は4365人となった。

死者の数は容赦なく増える恐れがある。世界保健機関(WHO)の当局者は、死者は最大で2万人に上ると推定している。

10年続くシリア内戦から避難した多くの難民が住むトルコのガジアンテプでは、瓦礫の中を捜索する救助隊員の近くで、別の建物が何の前触れもなく倒壊した。救助隊員は泣きわめき、安全を求めた。

最初の地震は非常に大きく、遠く離れたグリーンランドでも揺れが感じられた。その衝撃はあまりにも大きかったため、世界中の国が対応を始めた。

ウクライナからニュージーランドまで、数十カ国が支援を表明したが、氷雨と氷点下の気温のせいで対応が遅れている。

トルコ南東部シャンルウルファでは、救助隊員が夜遅くまで作業し、倒壊した7階建てのビルの瓦礫の中から生存者を助けだそうとした。

「私が知っている家族が瓦礫の下敷きになっています」と、シリア人の学生であるオメル・エル・クネイド氏(20)は話した。

「午前11時か12時までは、友人は電話に出ていました。ですが、もう電話に出ません。瓦礫の下にいます」

外は凍えるような寒さだったが、おびえた住民たちは路上で夜を明かした。彼らはたき火の周りに集まり、暖を取っていた。

ムスタファ・コユンチュ氏(55)は、妻と5人の子供を車に乗せたが、怖くて移動できなかった。

「家に帰れません」と同氏はAFPに話した。「みんな、おびえています」

最も被害が大きかったのは、カフラマンマラシュとガジアンテプの間にある、今回の地震の震源地の近くだ。そこでは、雪が降り積もる中、街区全体が廃墟と化していた。

米国地質調査所によると、最初の地震は6日午前4時17分(GMT1時17分)、約200万人が住むトルコのガジアンテプの近くで発生した。深さは約18キロ(11マイル)。

トルコでは、これまでに1万4000人以上が負傷したと報告されている、とAFADは発表した。シリアは、少なくとも3411人が負傷したと発表した。

当局者によると、3つの大空港が使用不能になっており、重要な援助物資の輸送が困難になっている。

冬の猛吹雪で、その地域に通じる主要道路は氷と雪で覆われている。

シリア北部の被災地の多くは、長年続く内戦と、シリア軍とロシア軍による空爆で、すでに壊滅状態になっている。住宅や病院、診療所は空爆で破壊された。

シリア内戦はすでに緊急対応に影響を及ぼしている。シリアのバッサム・サバーグ国連大使は、国境検問所の再開を否定したとみられている。検問所が再開すれば、反政府勢力支配地域に援助を届けることができる。

シリア保健省は、アレッポ、ラタキア、ハマ、そしてロシアが海軍施設を貸りているタルトゥースで被害があったと報告した。

今回の悲劇が起きる前から、アレッポの建物はたびたび倒壊していた。戦時に管理が行き届かなかったことによるインフラの老朽化が原因だ。アレッポは、内戦が始まる前はシリアの商業の中心地だった。

当局は念のために地域全体の天然ガスと電力の供給を停止し、学校を2週間閉鎖した。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、世界遺産リストに登録されている2つの都市、シリアのアレッポとトルコのディヤルバクルで大きな被害が出たことへの懸念を表明した。

シリア北西部にある、主にダーイシュのメンバーを収容している刑務所では、地震の後、囚人が暴動を起こし、少なくとも20人が脱走した。その刑務所の関係者がAFPに明らかにした。

米国、EU、ロシアは即座に哀悼の意を表し、支援を申し出た。

ジョー・バイデン大統領はトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領に、米国は壊滅的な地震からの復興に必要な「あらゆる」支援をすると約束した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、トルコに「必要な支援」を提供すると申し出た。トルコ製の戦闘用ドローンは、ウクライナがロシアの侵攻と戦うのを支援している。

トルコは、世界で最も地震が多い地域の一つに位置している。

トルコでマグニチュード7.8の地震が最後に起きたのは1939年だった。その年、エルジンジャン県では3万3000人が死亡した。

トルコのデュズジェ地域は1999年にマグニチュード7.4の地震に見舞われた。その年、1万7000人以上が死亡した。

専門家は以前から、大地震が起きればイスタンブールは壊滅する可能性があると警告してきた。人口1600万人の巨大都市であるイスタンブールは、脆弱な住宅であふれている。

AFP

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