
イスケンデルン(トルコ):トルコ・シリア国境で起きた大地震から1日、イスケンデルンの崩落した病院跡では、救助隊と住民ががれきの隙間を覗きながら生存者の捜索を続けている。
2日前には、この建物が患者で混雑する医療施設だったという面影はほとんどない。
この病院で生き残った医師の1人は、デヴェチ医師とだけ名乗り、自身の職場の惨状は筆舌に尽くしがたいものだと言った。
「打ちのめされています。病院内にも、至る所に死体があります。仕事柄、死体を見ることには慣れているはずですが、それでもつらいのです」と医師は話した。
トルコ南部ハタイ県の港湾都市イスケンデルンは、2月6日午前4時過ぎに発生したマグニチュード7.8の地震によってがれきの山と化した。ハタイ県だけで、1,200以上の建物が崩壊した。
「ある医師が、ここには患者も含め15人くらいがいるはずだと言っていました」と病院跡で同僚を探していたタクシー運転手のケリム・サヒン氏は話した。
「現在、全員ががれきに閉じ込められています。建物に近づくことができず、3階のフロアは戸棚1つで支えられている状態です」
サヒン氏によると、建物の損傷がひどいため、今後の救助活動は近隣都市から届く掘削機具が頼みだという。
地震によるトルコの死者数が3,459人となった7日、タイイップ・エルドアン大統領は、10県に非常事態宣言を発した。シリアの死者は1,700を超え、複数のトルコとシリアの都市で数万人が負傷したり住む場所を失ったりしている。
トルコ当局によると、1万2,000人以上の救助隊員と9,000人以上の兵士が被害を受けた地域で活動している。
ロイター