
ラマッラ: パレスチナのマハムード・アッバス議長は28日、ドナルド・トランプ大統領が発表した非常にイスラエル寄りの中東和平案に「何千回でもノーと言う」と述べた。
「今日、我々はばかげた内容を聞き、この『世紀の取引』に何千回でもノーを言う」とアッバス議長はヨルダン川西岸地区ラマッラの記者会見で述べた。ラマッラは欧州諸国の援助を受けたパレスチナ自治政府の本部がある地区だ。
議長は、パレスチナ人は、イスラエルによる占領を終わらせ、東エルサレムに首都を持つ国家の樹立をずっと目指していると述べた。
「我々はひざまずくことも、諦めることもない」と議長は述べ、パレスチナ人は「平和的で民主的な手段」で和平案に抗議するだろうと付け加えた。
和平案は、ヨルダン川西岸地区の一部にパレスチナ自治国家を樹立するが、イスラエルの占領地にある入植地のほぼすべてをイスラエルに併合することを認めるものだ。パレスチナ人は東エルサレム郊外に首都を建設することが許されるものの、都市の大部分はイスラエルの支配下に置かれることになる。
ガザを支配するイスラム過激派組織は、米国とイスラエルの発表した「陰謀」を拒否し、トランプ政権の和平案に対し「あらゆる選択肢を検討している」と述べた。
ハマス高官ハリール・アル=ハヤは、ハマスが支配するガザ地区で行われた抗議活動の1つに参加した際、次のように述べた。「我々は、パレスチナの人々がこの陰謀を黙って見過ごすことはないと確信している。そのため、あらゆる選択肢を検討している。(イスラエルの)侵略政権と米政権は、自分たちがしたことについて責任を負うことになるだろう」
抗議者たちはタイヤ、そしてドナルド・トランプ大統領とイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の写真を燃やした。
アッバス議長は、ハマスなど他のパレスチナの組織と和平案への統一した反応を協議するため、緊急会議を開いた。議長は、この和平案が絶望的なほどイスラエル寄りであると述べ、この案が発表される前に拒否していた。
一方、ヨルダンはイスラエルの「パレスチナ自治区の併合」に対して警告し、西岸全域とイスラエルに併合された東エルサレムを含む1967年の境界線に基づいてパレスチナ国家を樹立するとの約束を再確認した。
ヨルダンのアイマン・サファディ外相は「パレスチナ自治区の併合など、イスラエルの一方的な措置が生んだ深刻な結果だ」と警告した。
アラブ諸国の中ではヨルダンとエジプトの2ヵ国だけがイスラエルと国交を結んでいる。
AP通信