
ナジャ・フーサリ
ベイルート:レバノン・ポンドが急落し、市場に混乱を巻き起こした。路上では怒りが渦巻き、人々は「もう何も買えなくなる」のではないかという警告が発せられた。
並行市場での為替レートは15日、1ドル=77,000ポンドに達した。
1ドル=68,000ポンドに下落してからまだ24時間経っておらず、買付レートと売却レートの間に大きな差異が生まれた。
ガソリンスタンドのオーナーは燃料の販売を拒否していた一方で、路上での、前例のない無秩序への恐怖から抗議行動をしようとする試みを、政府関係者は食い止めようとしていた。
市民が暴動を起こす恐れは、一般労働組合のベチャラ・アル・アスマル代表によって力説され、「暴徒が一線を越えて行動を起こす可能性があるという情報」を組合は入手していると語った。
アル・アスマル氏の発言は、トリポリで銃を持った複数の者が空砲を撃ち、店舗に閉店を迫った後のことであった。
その一方で抗議者はベイルートや地方の通りへ繰り出すと、生活状況の危機的な悪化を受け、怒りに駆られて道路を封鎖した。
「人々が通りへ繰り出した結果として、今日トリポリで起こったことは、誰かを泣かせてしまうことです」とアル・アスマル氏はアラブニュースに語った。
「同様のことが、ベイルートと、ベイルートの南の玄関口アル・アウザイ地域で起こっていて、それが社会の暴動を予言していました」
アル・アスマル氏は「暴落をさらに深いものにしている隠れた手があります。今日(レバノン)ポンドが100%暴落したことへの納得のいく説明とは何でしょうか。
経済の現状において、この暴落を引き起こすような、とてつもないペースで変化しているものは何もありません」とも言った。
最近の通貨暴落は、人々が「もう何も買えなくなる」ことを意味する、と今回の抗議行動に加わった活動家のハーリド氏は言った。
また、「私たちは抗議行動の次のステップについて検討していきます。今では町のあらゆる両替店は閉店し、違法な露天の両替商は全員締め出されました」と付け加えて言った。
ガソリンスタンドは為替レートの不安定さを理由に燃料の販売を取りやめた。
レバノンのガソリンスタンドオーナーによるシンジケートが、ワリード・ファイード・エネルギー暫定大臣に対して要望したのは、「事態が安定するまでの期間に限定して、ドルに対する固定価格表を発行する」ことで、「それは市民とガソリンスタンドオーナーが共に関心を寄せる」ことだった。
ガソリンスタンドオーナーによるシンジケートに参加しているジョージ・ブラックス氏は、エネルギー大臣が毎日発行する固定価格表の燃料価格は「もう実態を反映していない」と言った。
ポンド価格の下落は燃料価格だけではなく他の商品にも影響を及ぼすだろう。
「私たちの国は輸入に頼っているので、私たちの生活にはドルが必要なのです」とBrax氏は言った。
ガソリンスタンドオーナーとの会議を終えた午後、ファイード大臣は「為替レートの変動と同調した価格表を、エネルギー省は一日に3部以上発行する方針を進めている」ことを裏付けた。
さらに大臣は「しかし、省でガソリンにドル価格をつけることはせず、法を犯すことはしません。消費者保護法に従って、燃料はレバノンポンドで市民に届けられなければなりません」と言った。
ハミッシュ在レバノン英国大使は15日、生活費危機からの後遺症について「もしレバノンの全ての政党が大統領選挙に同意せず、改革手続きを始めたら」と言って警鐘を鳴らした。
「レバノンはイギリスと全世界にとって重要な国です。宗教と党派の共存モデルを代表する国のため、治安と安定を守ることが必要なのです」と同大使は言った。