
ベイルート:政治的混乱の激化により、レバノン・ポンドは闇市場で急落し、1日には1ドル=9万ポンドで取引された。
この自国通貨の急落は、過去3年間実施されてきた1ドル=1500レバノン・ポンドの基準レートよりも60倍以上低い為替レートになったことを意味する。
迫り来る経済的混乱が警告される中、財務省は国庫が公共部門の給与を支払うことができるよう、関税ドルの価格を4万5000レバノン・ポンドに設定した。
同省は数週間前に同価格を1万5000ポンドに設定したばかりだった。
商店やスーパーマーケットも1日から商品の価格をドルで表示するようになった。
経済学者や政治専門家は、レバノン・ポンドは間もなく1ドル=10万ポンドまで下落すると予測している。
一方、ベイルート南部のシドンにあるクレディバンクの支店に男が押し入り、預金へのアクセスを拒否したら火をつけると脅した。この男は結局、刑事責任を問われないと保証された後、現金を手にすることなく銀行を後にした。
経済学者のジャセム・アジャカ氏は、「この国が陥った穴には終わりがない」と述べ、「最悪の事態はまだこれからであり、過ちが積み重なったために我々は完全な混乱に陥っている」と付け加えた。
アジャカ氏はまた、財務省は国庫収入を増やすために関税ドルを引き上げる以外の選択肢はないと述べた。
情報筋がアラブニュースに語ったところによると、同省は、公共部門の給与に上乗せされた昇給と社会扶助手当をカバーするコストを8兆レバノン・ポンドと見積もっているとのことである。
「この国は大きな赤字に苦しんでおり、歳入の増加は国際通貨基金(IMF)の要求の一つです」と同氏は語った。
「関税ドルを上げ、経済をドル化した後、問題は、有効な国家機関がない中で市場価格をコントロールすることです。大混乱が待ち受けています」
経済観測筋は、政治家が何もしないままでは、金融、経済、銀行の崩壊は避けられないと見ている。
自国通貨が暴落し、日用品や食料品の価格が刻々と上昇する中、財務省は関税ドルの引き上げを決定し、国民の購買力を大幅に低下させると猛烈な批判を受けた。
食品輸入組合のハニ・ボーサリ代表は、この決定は驚くべきもので、必需品の価格を2〜10%上昇させるだろうと述べた。
「たとえ油や穀物が関税の値上げから免除されても、自国通貨が下がれば価格は上昇します」
トリポリのアシュラフ・リフィ議員は、自国通貨の下落は、壊滅的な影響を伴う真の大惨事につながる可能性があると警告した。
「レバノン人は経済的大虐殺の犠牲者になってしまった」と同氏は述べた。「このシステムが破壊したものを改革し始める前に、統治当局とヒズボラが去る必要がある」
マロン派司教協議会は1日に召集され、暫定政府に対し、賢く職務を遂行し、状況を悪化させるような行動を避けるよう訴えた。
同協議会は治安に関する懸念を表明し、法執行機関に対策を強化するよう呼びかけた。