
ウイーン:週末にテヘランを訪問した国連の核監視機関のトップ、ラファエル・グロッシ事務局長は6日、イランの譲歩は今後の協議に大きく左右されると認め、帰国時に述べたいくつかのコメントを撤回した。
国際原子力機関(IAEA)の35カ国からなる理事会の四半期会合の2日前、IAEAとイランは、イランの3つの未申告施設で見つかったウラン粒子に関するIAEAの調査の停滞など、さまざまな問題で進展を図ることに合意したと述べた。
グロッシ氏は4日の記者会見で、両者は核施設から撤去された監視カメラなどの追加の装置をすべて再設置することに合意したと述べた。
当該装置はイランが2015年に行った主要国との核合意に基づき追加で設置されたものの、2018年に米国が撤退したことで合意が崩れ、昨年撤去されていた。
グロッシ氏は6日の記者会見で「どのように行うか話し合う必要がある」と述べ、これらの問題が今後の技術的な協議に大きく左右されることを認めた。
「我々にはアイデアがあり、これは私の訪問と共同声明のフォローアップとして行われる技術的な協議の中で話し合う予定だ。そして、そのための技術チームがまもなくイランを訪問するだろう」と同氏は付け加えた。
4日の共同声明における明らかな進展の発表はほとんど詳細に触れなかったが、前回の四半期理事会で可決された、イランにウランの痕跡に関する調査への協力を求める決議のような、さらなる決議を求める欧米の圧力を食い止めるには十分だったようである。
イランは通常、このような決議に反発し、過去には2015年の協定により抑制されるはずの核活動そのものを加速させるという対応を行ってきた。
「我々に任せてもらえればいい。もし調査官として参加したいというなら、それはそれで面白いかもしれないが。我々は上手くやれるだろう」イランがどれだけ約束を守り、どれだけのことを今後の交渉に依存するのかについて質問されたとき、グロッシ氏はこう答えた。
「好機があると信じている。もちろん保証はできないが。これが(単なる)約束だと言うなら、まず、(単なる)約束ではない。我々には具体的な合意事項がある。そして同時に、私はあきらめずに自分の仕事をする必要がある」
米国は今週の理事会で、イランにどの程度強く遵守を迫るかは示唆せず、イランに約束を守らせるための「最も効果的な手段」について、欧州の同盟国やIAEAと協議中であるとだけ述べた。
米国務省のネッド・プライス報道官は定例会見で、「イランはIAEAに完全かつ遅滞なく協力しなければならず、イランがとった措置について今後数週間でIAEAから追加報告があることを期待している」と記者団に語った。
ロイター