
モハメッド・ナジブ
ラマッラー:イスラエル軍によるパレスチナ人に対する都市への侵攻や逮捕、殺害が激化しており、最近では、イスラエル在住で、ヨルダン川西岸地区にあるパレスチナの大学で学んでいる約10,000人のパレスチナ人学生は、困難に直面している。
関係者がアラブニュースに認めたところでは、少なくとも250人の学生が大学をやめ、イスラエル内の居住地に戻った。
学生らの学業は、ゼネスト、イスラエル侵攻の犠牲者への追悼、パレスチナの都市への入り口でのイスラエル軍検問所の増加によって大きな影響を受け、結果として大学側が授業を中止した。
およそ5,000人の学生がジェニンのアラブ系アメリカ人の大学で学んでいるほか、アン・ナジャ大学で3,000人、アブディスのエルサレム大学で1,100人、ヘブロン大学で1,000人が学んでいる。
関係者がアラブニュースに語ったところによると、イスラエルが学生に嫌がらせをしている理由の一つは、パレスチナの大学が学生から年間800万ドルを受け取っていることだという。学生らがパレスチナの大学を辞めるとなれば、それだけの金額をこれらの施設が失う一方で、イスラエルの大学が得ることになる。
ヨルダン川西岸地区のパレスチナ系大学で学ぶ、イスラエル内からのパレスチナ人学生の数が、これらの大学の良好な収入源を占めるのだ。学生たちがこれらの大学の近くで住居を借りるため、パレスチナ経済の復興にも寄与している。
これらの都市の治安状況の悪化に加えて、イスラエルの嫌がらせや取調べ、尋問などを理由に、学生たちはこれらの大学を退学することを決断した。また、イスラエル公安庁シン・ベットはパレスチナ人学生を監視するための特別な部門を設置した。
政治アナリストのジャラル・バンナ氏は、この問題について次のようにコメントしている。「このような学生は、イスラエルにとって大きな安全保障上の課題となっている地理的エリアで学んでいるため、疑わしい目で見られるのは当然のことだ」
一方でイスラエルの教育大臣は、イスラエル国内のアラブ系大学と契約して学業を完遂するという、パレスチナ人大学生からの申し出を退けた。
イスラエルに住むパレスチナ系大学の講師、アミール・アッシはアラブニュースに、イスラエル当局がパレスチナ人学生の直面する障害を取り除くことを望んでいないということであり、この件でのイスラエルの行動は占領軍の恥であると語った。
大学講師のユセフ・ジャバリン氏は次のように話した。 「イスラエルは、パレスチナ人がアラビア語で授業を受けることができるアラブ系大学をイスラエル内に設立することを拒否している。同時に、見え透いた安全保障を口実に、パレスチナの大学で学ぶことも望んでいない」
別の状況として、ジェニン知事であるアクラム・ラジューブ少将は、イスラエル軍によるジェニンとそのキャンプへの侵攻が、そこに住む人々に壊滅的な影響を与えているとアラブニュースに語った。
知事は、ジェニンとそのキャンプでの貧困の増加について言及し、ラマダン以前は低所得家庭に200クーポンを配布して日用品の購入を支援していたが、現在はおよそ700クーポンが必要であると述べた。
イスラエル軍は様々な部隊やドローンなどの技術を使用して、ジェニンとそのキャンプを「イスラエル軍のための実践的訓練場」にしている、とラジューブ少将は語った。