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ネタニヤフ氏のUターンを受け、イスラエル政党間で司法改革を協議

ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相を批判する人たちは、司法改革計画に関して同氏が示した転回について、「策略やハッタリでない」ことを確認したいと考えている。(ロイター)
ベンヤミン・ネタニヤフ・イスラエル首相を批判する人たちは、司法改革計画に関して同氏が示した転回について、「策略やハッタリでない」ことを確認したいと考えている。(ロイター)
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29 Mar 2023 06:03:08 GMT9
29 Mar 2023 06:03:08 GMT9

エルサレム:イスラエルの極右政権と野党は、この数年で最も深刻な国内危機となったゼネストや大規模デモを引き起こし、論争の的になっている司法改革について、29日に2日目の協議を行う予定である。

最高裁判所の権限を縮小し、判事の選任に関する政治家の権限を拡大する抜本的司法改革の交渉をめぐって、懐疑的な見方が依然として強い。

イスラエルの同盟国のいくつかは懸念を表明しているが、その一つである米国のジョー・バイデン大統領はネタニヤフ氏に対し、誠実な交渉を促し、改革をひたすら前進させることに警告を発した。

28日、イツハク・ヘルツォグ大統領が主催して、政府と中道派の主要野党2党、すなわちイエシュ・アティドと国民連合との初日の協議が行われた。

大統領府の声明では、「肯定的な雰囲気のなかで行われた会談は、1時間半ほどで終了した」という。

「明日(29日)も引き続き、イツハク・ヘルツォグ大統領が一連の会談を主催する」ともしている。

国民を二分する緊迫した状況が3カ月続いた後、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は27日に全国規模で行われたストライキの圧力に屈した。

空港や病院などでストライキが行われ、改革に反対する数万人の人々がエルサレムの国会の外に集結した。

首相は放送を通じて、「国民の分断を防ぐために、法案の第2読会と第3読会を一時的に停止し、対話の時間を確保することを決定した」と述べた。

その前日に、まったく同じ措置を要求していた国防相の更迭を発表した首相にとって、立法プロセス停止の決定は劇的な方向転換を意味する。

シンクタンクであるイスラエル民主主義研究所のヨハナン・プレスナー所長が、平和協定にならないと発言するなど、今回の行動はイスラエル国内で不審の眼で見られている。

「そうではなく、おそらく再編成、再組織、方向転換のための停戦であり、その後に突進する可能性がある」と、同氏はジャーナリストに向けて発言した。

27日、野党指導者のヤイール・ラピード氏は、警戒心を示しながら、「策略やハッタリでない」ことを確認したいと語った。

ラピード氏のイエシュ・アティドとベニー・ガンツ元国防相の国民連合は28日、共同声明を発表し、「法案がクネセト(国会)の議題になったら」直ちに協議を中止すると宣言した。

バイデン米大統領は、イスラエルは分断を深める「この道をこのまま突き進むことはできない」と警告した。

ノースカロライナ州を訪問した際、バイデン氏は記者団に対し、「同首相が何らかの真の妥協点を見出そうと試みるならよいが、現時点ではまだわからない」と述べた。

ネタニヤフ氏は声明のなかで、バイデン氏の「イスラエルに対する長年の献身」に感謝を表明している。

だが、こうも付け加えている。「イスラエルは自国民の意思により決定を行う主権国家であり、最良の友人であろうとも、外国の圧力に応じて意思決定することはない」

以前の声明で、ネタニヤフ氏は、協議の目的は「合意に達することだ」と表明している。

一方、活動家たちは、時に数万人のデモ参加者を集め、数週間続いている集会の継続を誓った。

「司法クーデターが完全に中止されるまで、我々は抗議行動をやめない」と、デモを行う雨傘運動は表明している。

今回の危機は、極右政党や超正統派政党と組んだ、ネタニヤフ氏首班の発足後間もない連立政権内の深い亀裂を明らかにした。

ベザレル・スモトリッチ財務相は27日のツイートで、抜本的司法改革の「後戻りはない」と断言した。

同じく極右閣僚のイタマル・ベン・グビール国家安全保障相は、支持者に対し、改革に賛成する集会を開くよう強く求めた。

ベン・グビール氏が所属するユダヤの力党は27日、立法プロセスを遅らせる決定には、同氏の大臣としての職務を拡大する合意が含まれていることを明らかにした。抜本的改革を保留にするなら辞職する、と脅した後になされた合意だという。

左派日刊紙ハアレツに寄稿した政治特派員のヨッシ・ベルター氏は、一時停止は「デモ隊の勝利だが、本当にネタニヤフ氏を屈服させ、踏みつけたのは、イタマル・ベン・グビール氏だ」と述べた。

この事件は、発足後わずか3カ月で、イスラエル国民の間での連立政権の評価を直撃した。

イスラエルのチャンネル12が実施した世論調査によると、ネタニヤフ氏率いる右派政党リクードの支持率は7ポイント低下し、今選挙が行われた場合、連立政権は全120議席の国会で過半数を失うと予測されている。

AFP

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