
テヘラン:ますます多くの女性たちが強制的な服装規定に逆らうようになっている現状に対し、イランの司法当局トップは公の場にスカーフを着用せずに現れた女性を「容赦なく」起訴すると警告した。3月31日、イランメディアが報じた。
ゴーラムホセイン・モフセニー・エジェイー司法長官の警告に先立って、イラン内務省は30日、政府のヒジャブ(女性が頭部を覆うスカーフ)着用を義務付ける法を強化するという声明を出した。
「スカーフの着用を拒否することは、(我々の)価値観に敵対することに等しい」とのエジェイー司法長官の発言が、複数のニュースサイトで引用されている。「このような異常な行動を取る者たちは罰せられ」、「容赦なく起訴される」だろうともエジェイー氏は述べたが、罰の具体的内容は明らかにしなかった。
イラン司法省トップであるエジェイー氏は、法執行官は「明らかな犯罪行為や、宗教法に反し、かつ公共の場で行われるいかなる種類の異常行動も司法当局に委ねる義務がある」と述べた。
昨年9月、22歳のクルド系女性、マフサ・アミニ氏が道徳警察による拘留中に亡くなって以来、ますます多くのイラン女性たちが、スカーフの着用を拒否するようになっている。アミニ氏は、スカーフ着用の規則に違反したとして逮捕されていた。
アミニ氏の死をきっかけに始まり、イラン全土で数か月続く抗議運動を、治安部隊は暴力で抑え込んできた。
だがそれでも、女性たちは義務的な服装規定に従わなかったかどで逮捕される危険を承知の上で、国中のショッピングモール、レストラン、店舗、通りでスカーフを着けずに出歩いている。
1979年のイラン革命後に課されるようになったイランのシャリーア(イスラム聖法)の下では、女性は頭髪を覆い、体の線をあらわにしないようなゆったりとした丈の長い衣服を着用するよう義務付けられている。違反した場合は公的非難や罰金を科される、あるいは逮捕されることもあった。
30日の内務省の声明は、ヒジャブを「イラン国民の文明的な基礎の1つ」および「イラン・イスラム共和国における実際的原則の1つ」とした上で、この問題に関していかなる「撤退も譲歩も」あり得ないと述べている。
声明は一般市民に対し、ヒジャブを着用しない女性に断固とした態度を取るよう求めた。過去数十年には、このような指示に煽られた強硬派が女性を襲い、罰を受けずに済んだ例もある。
ロイター