ラマッラー: アル・アクサ・モスクのパレスチナ人礼拝者は6日、イスラエル警察により弾圧を受けた。前日にも、過越祭を祝うイスラエル人入植者数十人を入場させるために礼拝所から強制的に追い出されている。
規制強化により、モスクの礼拝者数は急減しており、5日にタラウィーの礼拝に参加した者は、前日の8万人からわずか2万人に減少したと当局は発表している。
数百人の礼拝者がアル・アクサの敷居でファジルの祈りを捧げたが、それを終えるやいなやにイスラエル軍によりその場から退去させられた。
6日の朝、イスラエル警察によりモスクへの入場を許可されたパレスチナ人は40人未満だった。
イスラエルで神殿をめぐり過激な立場をとる複数の組織は、来週まで続くユダヤ教の過越祭期間中にアル・アクサへの入場を強行することを支持者に呼びかけている。
アル・アクサ・モスクの指導者であるOmar Al-Kiswani氏はアラブニュースに、イスラエルによる規制、門への軍の配備、そして土曜日まで続くヨルダン川西岸の封鎖のため、6日にはイスラム教徒数人がファジルの祈りを捧げることができなかったと述べた。
同日には、合計199人の入植者がイスラエル警察の保護の下、アル・アクサへ押し入ったという。
専門家によると、5日にイスラエル警察がモスク内で起こした損害の額は数万ドルに上る可能性があるという。貴重なガラス窓、ドア、蔵書のコーラン、診療所などが破損した。
Al-Kiswani氏は破壊行為について、イスラエル軍がアル・アクサ・モスクに突入する際の慣例となっていると述べた。
ヨルダン川西岸とガザ地区で厳しい治安状況が続く中、ラマダンの第3金曜日が迫っている。イスラエル当局が礼拝者にアル・アクサ訪問を許可するかどうかは不明である。
また、第3金曜日の説教はイスラエル当局に対する扇動の罪に問われる可能性があり、説教師にとっては難しい状況となるだろう。
Al-Kiswani氏によると、アル・アクサの伝道師Mohammed Sarandah氏はラマダン開始前にイスラエル治安当局に出頭を命じられ、礼拝者を扇動したとして訴えられた。Sarandah氏は2か月間、アル・アクサでの職務を停止された。
「私たちはイスラエル人よりも、アル・アクサ・モスクの平穏に関心があります。平穏である方がラマダンの間に、より多くの礼拝者にモスクを訪問してもらえるからです」とAl-Kiswani氏は述べた。また、アラブ・イスラム諸国が介入すれば、イスラエルによるモスクへの侵犯を止められる可能性があると付け加えた。
6日、ヨルダンとパレスチナは国連安全保障理事会に対し、イスラエルによるアル・アクサ・モスクへの侵犯について7日に緊急非公開会議を開くことを求める共同要請書を提出した。
アラブニュースがエルサレム市民らに取材したところによると、アル・アクサ・モスクに対する抑圧的な措置はヨルダンの体面を損ない、同国政府にモスクを保護する能力が欠けていることを示すために行われているという。
ヨルダンは1924年以来、エルサレムにおけるイスラム教とキリスト教の聖地を公式に管理している。イスラム教徒にとって、アル・アクサは世界中で第3の聖地である。
東エルサレムにおけるファタハの高名な指導者であるAhmed Ghuneim氏は、イスラエルによるアル・アクサの現状変更はヨルダンへの脅威であり、ヨルダン国内の安全と安定を損なうものであると発言している。
政治アナリストのGhassan Al-Khatib氏はアラブニュースに対し、イスラエルの右派政権はアル・アクサの現状維持の約束を与えることでヨルダンを欺いており、同国の力不足につけ込んでいるとしている。
エルサレム市民らによれば、イスラエルの占領軍は過去20年間さまざまな手を駆使して、アル・アクサでのパレスチナ人礼拝者を減らすことで、入植者によるモスクへの侵犯と宗教儀式の執行に対する抵抗を削ごうと試みてきたという。
一方、15歳のパレスチナ人の少年Khader Ghurab君は、5日深夜にエルサレムの旧市街で入植者に撃たれて負傷した。