
ラエド・オマリ、モハメッド・ナジブ
アンマン:イスラエルは7日、武器や金を占領下のヨルダン川西岸地区に密輸しようとしたとされるヨルダンの国会議員イマド・オドワン氏を釈放した。
ヨルダン議会は7日、オドワン氏の法的免責を解除することを決議し、同氏は国家安全保障裁判所で裁判を受けることとなった。
アフメド・アル・サファディ議長は、この決定は、国家安全保障裁判所検察官の要請と国会議員による投票の後になされたと述べた。
オドワン氏の免責を解除するための投票は、政府関係者でさえ出席しないよう要請された非公開の会議で行われた。
会議終了後の報道発表で、アフメド・アル・サファディ下院議長は、オドワン氏の免責解除は、テロ、治安、密輸に関する事件を調査する国家安全保障裁判所からの要請を受けて決定されたものだと述べた。
ヨルダンの公式情報筋は、オドワン氏が法的免責を解除された後、国家安全保障裁判所に付託するためのあらゆる必要な措置が取られたと述べた。
匿名を希望したその情報筋によると、オドワン氏とその他の容疑者を裁判所に付託する決定は、ヨルダン当局が行った調査の結果、「当該議員との協力による武器密輸と取引」を繰り返したという事件関係者の自白など、十分な証拠があったためだという。
オドワン氏は4月22日、武器と金を占領下のヨルダン川西岸地区に密輸しようとした疑いで逮捕された。
イスラエルは当時、国境当局がキングフセイン橋の国境検問所で密輸の試みを阻止したと発表し、オドワン氏の車から物品が発見されたと述べた。
イスラエルの国内保安機関シンベトが発表した調査結果によると、オドワン氏は2022年初頭から、外交官パスポートを利用し12回の個別の密輸の試みを行った。
シンベトは、オドワン氏が今年に入ってから金銭と引き換えに武器を密輸する試みを数回成功させたと述べ、ヨルダン当局による「さらなる調査と正義の追求」のために釈放されたと付け加えた。
バルカ県出身のオドワン氏(34歳)は弁護士で、国際法の修士号を持ち、ヨルダン議会のパレスチナ委員会のメンバーでもある。政府に反対する多くの政治的スタンスを持つ。
イスラエルの著名な政治アナリストであるヨニ・ベン・メナヘム氏は、アラブニュースに対し、オドワン氏の帰国は、12月末にイスラエルの右派政権が誕生して以来緊張状態にあるイスラエルとヨルダンとの関係に好影響をもたらすと述べている。
メナヘム氏は、イスラエル当局は現在も武器の意図された受取人を調査中であると述べた。「良いことは、イスラエルの情報機関がヨルダンからヨルダン川西岸地区のパレスチナ武装勢力に(武器を)密輸する抜け道を塞ぐことに成功したことだ 」と同氏は述べた。