Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 米国、アラブ人に対するイスラエルの過激派の「憎しみに満ちたシュプレヒコール」を非難

米国、アラブ人に対するイスラエルの過激派の「憎しみに満ちたシュプレヒコール」を非難

2023年5月18日、「エルサレムの日」を記念するイスラエルの「旗の行進」で、エルサレムの旧市街の「嘆きの壁」に集まり、国旗を振るイスラエル人。(AFP)
2023年5月18日、「エルサレムの日」を記念するイスラエルの「旗の行進」で、エルサレムの旧市街の「嘆きの壁」に集まり、国旗を振るイスラエル人。(AFP)
2023年5月18日、「エルサレムの日」を記念するイスラエルの「旗の行進」で、エルサレムの旧市街の「嘆きの壁」に集まり、国旗を振るイスラエル人。(AFP)
2023年5月18日、「エルサレムの日」を記念するイスラエルの「旗の行進」で、エルサレムの旧市街の「嘆きの壁」に集まり、国旗を振るイスラエル人。(AFP)
Short Url:
19 May 2023 08:05:41 GMT9
19 May 2023 08:05:41 GMT9
  • 米国、アラブ人に対するイスラエルの過激派の「憎しみに満ちたシュプレヒコール」を非難
  • イスラエル併合下にある東エルサレムのパレスチナ人は「旗の行進」のために店を閉めた。行進の参加者の中にはジャーナリストを攻撃する者もいた

エルサレム: 米国は18日、イスラエルの行進の参加者が叫ぶアラブ人への「人種差別的」なシュプレヒコールを非難。AFPの記者によると、行進の多くの参加者が反アラブのスローガンを叫んでいたという。

「米国は、いかなる形の人種差別的な言葉にも明確に反対する。本日、エルサレムでの行進において、『アラブ人に死を』などの憎しみに満ちたシュプレヒコールが行われたことを非難する」と、米国務省マシュー・ミラー報道官はツイッターで述べた。

ガザ国境付近での緊張が高い中、数万人のイスラエルの国家主義者が18日、エルサレムの旧市街に向かって、イスラエルの占領を記念して毎年行われる、旗を振りながらの行進を行った。

イスラエル併合下にある東エルサレムのパレスチナ人は、この行進のために店を閉めたり、旧市街への入り口で多くの人で賑わうダマスカス門からの立ち入りが禁止されたりした。行進の参加者の中には石やペットボトルをジャーナリストに投げつけるものもいた。

警察は、この暴力行為で成人1名と未成年1名の計2名を逮捕したと発表した。

ガザでは、パレスチナ人数千人がイスラエルの国旗の日に合わせてイスラエル国境に集まったが、その多くがパレスチナ国旗を掲げていた。イスラエル軍は国境のフェンスに近づく者に向かって催涙ガスを発射した。

ガザのパレスチナの治安関係者は、詳細は明らかにしなかったが、ガザ地区のイスラム主義組織ハマスが「警告のロケット」を海に向けて発射したと述べた。

イスラエルの行進に先立ち、武装組織であるハマスは、「イスラエル占領下のエルサレムにおけるパレスチナ人民に対するシオニスト占領(イスラエル)の組織的活動を非難する」と述べた。

2年前、エルサレムで数週間にわたり暴力行為が続き、多数のパレスチナ人が負傷した。その後、「旗の行進」中にハマスとイスラエルとの間で紛争が勃発した。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は18日午前、「生まれ変わったイスラエル国家の首都として再建されてから75年、再統一されてから56年」経ったエルサレムで祝賀会が行われると述べた。

ネタニヤフ政権の極右閣僚の2人、イタマル・ベングビール氏とベザレル・スモトリッチ氏は、イスラエル人が「エルサレムの日」と呼ぶ行事の1つである18日の「旗の行進」に参加した。
「今日、我々を脅かすハマスに対して、『エルサレムは我々のものだ』と申し上げる」と、ベングビール氏は声明で述べた。

1967年の六日間戦争(第三次中東戦争)の後、イスラエルは東エルサレムと旧市街を併合したが、これは国際社会から認められることはなかった。

18日の祝賀会は、ガザ地区における国境をはさんだ武装組織「イスラム聖戦」との激しい戦闘を終わらせた停戦から数日後に行われた。

封鎖されたパレスチナ人居留地であるガザ地区では、複数の民間人を含む33人、イスラエルでは市民1人とガザ地区の労働者1人の計2人が死亡した。

約2500人の警察官が行進の安全を確保する中、行進は町の西部から始まり、東エルサレムに入り、旧市街を通って「嘆きの壁」に至り、そこで終了した。

旧市街に店を構えるパレスチナ人は、行進に備えて店を閉めた。

住民のアブ・アル・アブド氏(72)は「家に帰りたい」と語った。同氏はAFPに対し、行進の参加者は「危険だ。彼らは歩きながら、私たちの店や住居の扉をたたき始めている」と語った。

行進する参加者が旧市街に到着し始めた頃、ユダヤ人とパレスチナ人の若者の間で乱闘がおこり、警察によると、いくつかの事例で「摩擦や挑発を防ぐために対処する必要があった」という。

ただし、ダマスカス門の外側で警察が「旗の行進」に反対するパレスチナ人と衝突し、少なくとも79人が負傷した昨年と比べて、暴力行為は大幅に減少した。

聖地を管理する当局者は夜、「嘆きの壁」で祈りを捧げたユダヤ人は5万人と推定した。

行進に先立ち、ネタニヤフ首相が率いる右派政党「リクード党」の少なくとも3人の議員とベングビール氏の「ユダヤの力党」派閥の大臣1人を含む数十人のユダヤ人が、イスラム教第三の聖地であるエルサレムのアル・アクサモスクを訪れた。

ユダヤ人が「神殿の丘」と呼び、ユダヤ教の最も神聖な場所として崇めているアル・アクサモスクだが、訪れることはできても礼拝は禁じられている。

行進の参加者の一人、トム・ニッサニ氏はイスラエル国旗を持ってヤッファ門前で座り、行進を待っていた。

「ここは私たちの首都です。だから、そのことを示し、首都として享受し、首都のために戦わなければならないのです」と、34歳のヨルダン川西岸地区の入植者がAFPに対し語った。この入植者は、火種となっているこの地でユダヤ人入植を促進する組織で働いているそうだ。

公式の集会が始まる数時間前にダマスカス門で旗を振っているイスラエル人の中には、ネタニヤフ首相が党首のリクード党のミリ・レゲブ運輸大臣がいた。

パレスチナのマフムード・アッバース大統領のナビル・アブ・ルデーネ報道官はイスラエルに対し、「挑発的な旗の行進の組織化を強く主張しないように」警告した。

行進を押し進めることは、「イスラエル政府がユダヤ人の過激派を黙認していることを裏付ける」ことになると、17日、同報道官は述べていた。

イスラエルの指導層は昨年の集会以降、極右へのシフトが顕著である。

イスラエルのベングビール国家安全保障大臣は、テロ集団を支援し人種差別を煽った罪で2007年に有罪判決を受けている。

極右の盟友スモトリッチ氏は、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区の数名の有力者とともに財務大臣の職務に携わっており、過去にはパレスチナ人について扇動的な発言をしたこともある。

AFP

特に人気
オススメ

return to top