
トリポリ/ローマ: 地中海一帯の捜索が行われた翌日の26日、イタリアの人道支援団体は、新生児を含む500人の移民を乗せて遭難中とされたボートの痕跡を救助船が発見できなかったと述べた。
『ライフサポート』号が難破船の残骸を見つけることはなく、500人はイタリアに上陸しなかった」と非政府組織(NGO)の『エマージェンシー』はミラノからの書面による声明で述べた。「この500人の行方について、沿岸当局が知らないというのは信じがたいことです」
エマージェンシーは、移民がリビアに連れ戻された可能性を指摘した。イタリア沿岸へ移民を運ぶことを目的とする、耐航性のない密航業者の船の多くがそこを出発点としている。
同団体の声明によると、リビア当局は、これまでのところ乗客をリビアへ連れ戻したことを否定しているという。リビアでは、大勢の移民が仮収容所の被人道的な条件下で何ヶ月もを過ごしており、その多くは、イタリア行きの航海のために彼ら自身か故郷の家族が密輸業者に支払いを終えられるまで、殴打やレイプに耐えている。
23日、遭難中の移民船から電話を受けている別のNGO『アラームフォン』が、移民500人を乗せた船が助けを求めていると発表した。
ライフサポート号は、遭難船の漂流地点と思われた区域まで32時間かけて航行し、25日、マルタの捜索救助地域に含まれる国際海域で24時間捜索を続けた。しかしエマージェンシーは、悪化する天候のために捜索打ち切りを余儀なくされたと25日に発表した。
リビア沿岸警備隊は、移民がリビアに連れ戻されたというエマージェンシーの仮説について、コメントの要請にすぐに応答しなかった。
イタリア沿岸警備隊は25日、別々の活動にあたっていた2隻の船舶のうちの1つが、捜索救助地域で遭難していた2隻の漁船から1,100人近くの移民を救助したと述べた。
イタリア沿岸警備隊は、移民27人を乗せて困難に陥っていた3番目のボートについて一切の関与を否定した。警備隊は、この船の援助には商船が関与していたものの、「最初はイタリアの救助センターから連絡を受けましたが、彼ら(貨物線)はその後、リビアの責任区域内で発生した出来事としてリビア当局から直接の指示を受け取りました」と述べた。
リビアへの移民「押し戻し」についてあらゆる関与を否定した25日の声明で、イタリア沿岸警備隊は、リビアが救助の「調整を正当な理由を持って引き受けた」と述べた。
AP