
ロンドン:英国のデイヴィッド・ミリバンド前外相は、イラク戦争への支持を政治家としてのキャリアの中で「最大の後悔のひとつ」と述べたと、オブザーバー紙が5月28日日曜日に報じた
ミリバンド氏は、ウェールズで開催されたヘイ文学フェスティバルでの講演で、イラク戦争は、欧米諸国の道徳的な誠実さや国際秩序と正義を促進するという主張の信頼性を「深く傷つけた」と述べた。
また、イラクへの侵攻は、ロシアに抗議する西側諸国の姿勢を偽善的なものに見せることで、そうした姿勢への信頼を揺るがす可能性があると付け加えた。
「私は戦争に賛成票を投じ、政府の立場を支持した。それがいかに重大な過ちであったか、私の心の中では疑いの余地はない」と現在、国際救済委員会のCEOを務めるミリバンド氏は述べた。
ミリバンド氏は、パレスチナやアフガニスタンなど、世界の他の地域にもっと注意を払うよう促しているケニアのウィリアム・ルート大統領の言葉に耳を傾けるよう聴衆に促した。
「ウクライナは深刻な貧困と自国民への犯罪行為に苦しんでいるが、エチオピア、アフガニスタン、パレスチナはどうだろうか」とミリバンド氏は述べた。
「世界政治における、英国はもとより、西側諸国の役割を理解しようとするならば、このことを非常に真剣に考えなければならない」。
同氏は、「世界にとっての教訓となってしまった」点で、イラク戦争を 「戦略的な過ち」と評した。
イラク侵攻は「その後ウクライナで起きたことの言い訳にはならない」が、ミリバンド氏は欧米諸国が偽善的にふるまっているという疑いは「非常に、非常に深刻な問題提起」であることを認めた
「西側諸国はウクライナを支持することで一致したが、西側諸国と世界の多くの国々とを分断してしまった。40~50カ国が(ロシアへの)非難を表明することを拒否しているが、それはウクライナへの侵攻を支持しているからではなく、過去30年に渡り、西側が世界的な問題に対処する上で、偽善的で弱腰な姿勢を露呈してきたと感じているからだ」と同氏は付け加えた。