
リヤド:「アフリカの角」地域を担当するEU特別代表は、スーダンでの戦闘を終わらせるためのサウジと米国の取り組みを称賛しているが、進行中の戦闘が地域の安定を脅かし続けていると警鐘を鳴らした。
EU特別代表のアネット・ウェーバー氏は29日、アラブニュースのインタビューに応じ、戦闘が「飛び火」するリスクは明らかに高いと述べた。
ウェーバー氏は27日にリヤドに到着し、サウジの外務省高官や湾岸協力理事会(GCC)の代表らとスーダン危機について協議した。
ウェーバー氏は、敵対しているスーダン国軍と準軍事組織の即応支援部隊との間で行われる事前協議について、「スーダン、そしてジェッダで2人の司令官とともにサウジアラビアと米国が現在関与していることが焦点となりました」と述べた。
同氏は、この2人の司令官が話し合うようにサウジアラビアと米国が努力しなければ、解決策は見つからないだろうと述べた。
「『どうすれば包括合意に至ることができるか』という問が、焦点となりました。和平合意です。この対話や交渉については、EU加盟国が明確に支持しています」
ウェーバー氏は、現時点での恒久的停戦は「あまりにも非現実である」とみなされるかもしれないことを認めながらも、ハルツームとその近辺に援助物資を届けられるように、少なくとも戦闘行為が停止することを望んだ。
「私たちは、サウジアラビアと米国がこの最初の一歩を踏み出そうとしていることを極めて明確にすることができました。彼らが言う『事前交渉』とは、停戦を目指し、人道(的援助)の窓口を開くためのものです」と同氏は述べた。
しかし同時に、より確定的な合意がなければ、戦闘が容易に「アフリカの角」地域一帯に広がる可能性があると警鐘を鳴らした。
「私たちはスーダンでの紛争を食い止める必要があります。極めて明らかだと思うのは……できるだけ早くジェッダにおいて最低でも停戦または戦闘行為の停止で合意できれば、それだけ周囲に飛び火する可能性が低くなるということです」と同氏は述べた。
「しかも、飛び火するリスクは明らかです。人々が越境しているところを…チャドや南スーダンに紛争が及ぶリスクを目の当たりにしてきました」
「私たちの目の前で、多くの難民がエジプトや近隣諸国へと渡っているのです。この地域は非常に不安定です。サヘル地域から紅海にかけて不安定な地域が生じるリスクが高く、深刻です」
「そしてもちろん、この地域は、私たちEUの近くにあるのです。近隣地域なのです。だから、絶対に紛争を食い止めて、紛争を終わらせなければならないのです」
当事者が話し合うようにサウジアラビアと米国が尽力しなければ、解決策は見つからないでしょう。
アネット・ウェーバーEU特別代表
国連によると、4月15日の戦闘開始以降、140万人近くのスーダン人が自国から逃げ出した。そのうち33万人が隣国に渡った。サウジアラビアは今日に至るまで、100以上の国籍の8,200人以上がスーダンから退避するために、航空便を用意して支援した。
サウジアラビアと米国は紛争当事者に対し、停戦に向けた取り組みを行うよう促し、5月6日にジェッダで事前交渉の協議が開始されることを歓迎した。
双方の当事者は5月20日、一時停戦で合意した。しかし、ハルツームと周辺で戦闘が続いたため、この合意はほぼ直後に決裂した。サウジアラビアと米国は、双方が決裂にかかわったと述べた。
EU特別代表は、スーダンの近隣諸国を支援する取り組みは「継続中」であると述べた。
「私たちはチャドと南スーダンへの支援について大変尽力しています。継続的な取り組みです。EUは、現在も紛争以前も、スーダンにおいて最大の支援者であり、人道援助活動を行っています」とウェーバー氏は述べた。「だから、援助を続けてまいります。これは極めてはっきりしています」
ウェーバー氏はサウジアラビア訪問中に、湾岸協力理事会ジャーシム・アル・ブダイウィ事務局長とも会談し、地域協力と安全保障について話し合った。
ウェーバー氏は「EU、サウジアラビア、国連の私たち、そしてすべての人が、救援活動や人道援助活動で協力および連携する必要があります」と述べ、GCCはこの地域における「重要なカウンターパート」であると付け加えた。
「私たちはスーダンの状況において、協調できていると思います」