
ジュネーブ:国連人権高等弁務官は23日、占領下のヨルダン川西岸地区で起きた新たな闘争の勃発は制御不能になる可能性がある、と警告した。
今週、イスラエル軍による侵略やパレスチナ人あるいはユダヤ人入植者からの攻撃により、この地区で少なくとも18人が犠牲になった。
「これらの最新の殺害と暴力行為は、扇動的なレトリックとともに、イスラエル人とパレスチナ人をどん底へと追いやるだけだ」とヴォルカー・ターク氏は声明で述べた。
今年はすでに、イスラエル・パレスチナ紛争に関連した闘争で200人以上が犠牲になっており、その大部分はパレスチナ人である。
ここ数日の間、パレスチナ武装グループの拠点であるヨルダン川西岸地区の北部ではイスラエルが軍事作戦を強化しており、死者を出す暴力事件が相次いでいる。
ターク氏は、執拗な政治的レトリックと、イスラエルが高度な軍事兵器の使用を強化していることから、今週の争いが深刻化していると述べた。
国連人権高等弁務官は、今回の急激な悪化がパレスチナ人とイスラエル人の両方に甚大な被害を与えていると述べ、争いを直ちに終わらせるよう求めた。
同氏によると、国際人権法はイスラエル当局に対し致死的武力を防ぐためにすべての作戦を計画・実行することを保証するよう求めている。
そのような状況で引き起こされた死亡事件はすべて効果的な調査を必要とする、と同氏は付け加えた。
「イスラエルは、生命に対する権利の保護と尊重を含む国際人権基準に沿って、占領下のヨルダン川西岸での政策と行動を緊急に修正しなければならない」とターク氏は述べた。
「国際人道法の下、イスラエルは占領国として被占領パレスチナ地域内の治安と安全を確保する義務も負っている」
ターク氏は、暴力と恣意的な人命の損失につながる根本的な力学には緊急に対処する必要があり、イスラエルとパレスチナ人ならびに国際社会の政治的意志が必要であると述べた。
「この闘争を終わらせるためには、占領を終わらせる必要がある」と同氏は述べた。
「政治権力を持つ、すべての当事者はこれを知っており、その実現に向けて即時の措置を講じる必要がある」
AFP