
イドリブ: 25日、ロシアの空爆により反政府派が支配するシリア北西部で少なくとも13名が死亡し、戦争で荒廃する同国内への今年最多の犠牲者を出す攻撃となったと、戦争監視団が発表した。
2名の子どもを含む、少なくとも9名の民間人が死亡しており、犠牲者の多くはイドリブ地域のJisr Al-Shugurにある青果市場で死亡した。
「これらのロシアの攻撃はシリアで今年最多の犠牲者を出しており、大虐殺である」と、英国を拠点とする組織「シリア人権監視団」の代表ラミ・アブデル・ラフマン氏は述べた。
バッシャール・アサド大統領政権を支援するロシア部隊は、この1週間にわたる反政府派のドローン攻撃に反撃を行っていて、これにより子ども2名を含む民間人4名が死亡したと、シリア人権監視団が伝えている。
市場への攻撃を生き延びた作業員のサアド・ファト氏(35)は、負傷者の救助活動を手伝ったと語った。
同氏は、「ロシアの砲弾が降ってきました」と述べ、攻撃時に自分はトマトとキュウリの荷下ろしをしていたと語った。
「筆舌に尽くし難い光景で、死んだ人、怪我をした人を見ました」と語る同氏の両手は、犠牲者の血にまみれたままだった。
現地の特派員は黒い煙が現場から立ち上り、サイレンを鳴らす救急車が負傷者を乗せて市場から病院に急行するのを目撃した。
ロシアの空爆により、Jisr Al-Shughur で民間人6名が死亡し、付近で反政府派戦闘員3名が死亡したと、アブデル・ラフマン氏は述べた。同氏の組織はシリア国内の大規模な情報ネットワークから情報を得ている。
この他に、子ども2名を含む民間人3名と、反政府派戦闘員1名がイドリブ郊外への攻撃により死亡したと、アブデル・ラフマン氏は述べた。
同氏によると、この戦闘員はウイグル族が大半を占める聖戦組織「トルキスタン・イスラム党」のメンバーで、死亡した子どもたちの親たちも同組織に所属していたという。
25日の攻撃により、少なくとも30名の民間人が負傷したと述べたアブデル・ラフマン氏は、死者数はもっと増えそうだと、加えて述べた。
これより前に、Jisr Al-Shughurの民間防衛隊のアフメド・ヤジギ氏が、攻撃により9名が死亡したと伝えていたが、死者数に戦闘員が含まれるかどうかは明らかにしていなかった。
ヤジギ氏はこの攻撃を、「農家の基本的な収入源を支える人気の市場に対する直接攻撃」だと評した。
アサド政権は、民主化を求める抗議運動を残忍に弾圧した2011年に勃発した紛争の初期に失った土地の多くを、ロシアとイランの支援の下で取り戻してきた。
ロシアは、シリア国内における反政府派武装勢力の最後の拠点を、北西部で長年にわたって繰り返し攻撃している。
しかし、ロシアによる直近の攻撃が行われるまでは、今年に入ってからの民間人への致死的な攻撃は限られていた。
24日には、ロシアの空爆によりイドリブ地域で2人の民間人が死亡した。
AFP