
ロンドン:イスラエルは3日未明、占領地ヨルダン川西岸地区の武装勢力の拠点にドローン攻撃を実行し、20年前の第2次インティファーダ時の大規模攻撃に似た襲撃作戦で数百人の部隊を展開したことで、批判を浴びている。
同日、部隊はジェニン難民キャンプ内にとどまり、1年以上にわたる西岸地区での紛争の中でも最大規模の軍事作戦を遂行した。先月4人のイスラエル人入植者らが銃撃事件で死亡するなど、イスラエル人入植者らに対する攻撃が続いており、今回の作戦は、これら攻撃に対する厳しい対応を求めるイスラエル国内からの圧力の高まりの中で実行された。
パレスチナの保健当局によると、少なくともパレスチナ人8人が死亡、50人が負傷し、中には重体者もいるという。
パレスチナ政府高官が3日遅くに発表したところによると、イスラエルの作戦後、約3,000人のパレスチナ人がジェニン難民キャンプを離れたという。
パレスチナ当局、隣国のヨルダン、エジプト、そして57か国からなるイスラム協力機構(OIC)は、この暴力を非難した。
「パレスチナ人は、ひざまずくことも、降伏することも、白旗を揚げることもない。この残忍な侵略に直面しても、自分たちの土地に根を下ろし続けるだろう」とパレスチナ大統領報道官のナビル・アブ・ルデイネ氏は述べた。
ホワイトハウスは3日、報道官を通して、我々は西岸地区の状況を注視していると声明を出した。
また、「我々は報道を目にし、状況を注意深く監視している。我々はイスラエルの安全保障と、同国がハマス、パレスチナ・イスラム聖戦、その他のテロリスト集団から自国民を守る権利を支持する」としている。
アントニオ・グテーレス国連事務総長は国連報道官を通して、イスラエル軍が西岸地区で過去20年間最大規模の作戦のひとつであるドローンによる空爆を行った後、ジェニンの動向を深く懸念していると声明を出した。
国連のファルハン・ハック副報道官は声明の中で、事務総長が「すべての軍事作戦は国際人道法を完全に尊重して実施されなければならないことを確認する」としている。
国連パレスチナ地域人道調整官のリン・ヘイスティングス氏はツイッター上で、「イスラエル軍の作戦規模に警鐘を鳴らしている」と述べ、人口密度の高い難民キャンプでの空爆に言及した。同氏は、国連が人道支援を動員していると述べた。
3日午後、イスラエル軍は発表で、3つの武器製造施設を発見し、数百個の爆発物を押収し、銃撃戦で2人の武装したパレスチナ人を射殺したとしている。
また、兵士が爆発物、武器、軍事装備を発見したモスクでは、イスラエル治安部隊とパレスチナ人武装集団との間で銃撃戦が交わされたという。
ジェニン難民キャンプとこれに隣接する同名の町は、2022年春にイスラエルとパレスチナの間で暴力がエスカレートし始めて以来、一触即発の状態が続いていた。
イスラエルのイーライ・コーエン外相は、宿敵イランが暴力の裏にあり、パレスチナの過激派組織に資金を提供していると非難したが、パレスチナ側はこれを否定している。
コーエン外相は外国人記者団に対し、「イランからの資金供与により、ジェニン難民キャンプはテロ活動の中心地と化した」と述べており、民間人の犠牲を避けるために「標的を絞った」作戦を実施すると付け加えた。
ジェニンに大きな勢力を持つ過激派組織、イスラム聖戦は、戦闘が長引けばガザ地区の拠点から攻撃を開始すると脅している。
「ジェニンに対するイスラエルの攻勢が止まらなければ、パレスチナの抵抗勢力は短時間でやるべきことをやるだろう」と同組織のスポークスマン、ダウッド・シェハブ氏は述べている。
レバノンの過激派組織ヒズボラもまた、今回の攻撃を非難し、パレスチナ人には「敵にその行為を後悔させる多くの選択肢と手段がある」と声明を出している。ヒズボラは2006年にイスラエルと1か月にわたり戦闘を繰り広げた。
* 協力:AP通信