
ワシントン:米国のアントニー・ブリンケン国務長官は15日、イランが核兵器級に近い濃縮ウランの蓄積ペースを減速させたという報道については確認できていないとしつつ、同国が「増大する核の脅威」を軽減させるために講じるいかなる措置も歓迎すると述べた。
ブリンケン国務長官は記者団に対し、イランが米国人被拘留者を自宅軟禁に移したことは、抑止、圧力、外交の戦略を反映する米国の対イラン政策の他の側面には影響しないとも述べた。
情報筋は10日、韓国の銀行にあるイランの資金のうち60億ドル相当を凍結解除する取引の一環としてイランが拘留中の米国籍者5人を解放する可能性があると伝えた。イランは拘留中の米国籍者4人を刑務所から解放し自宅軟禁下に移した。もう1人は既に自宅軟禁下に置かれていた。
ウォール・ストリート・ジャーナルは11日、イランが核兵器級に近い濃縮ウランの蓄積ペースを大幅に減速させ、備蓄ウランの一部を希釈したと報じた。米国との間の緊張の緩和や、イランの核開発計画をめぐるより広範な交渉の復活に寄与するかもしれない動きだ。
ブリンケン国務長官は記者会見で、「もちろん、米国がイラン核合意から離脱して以来イランがもたらしてきた増大する核の脅威を軽減させるために同国が講じるいかなる措置も歓迎する」と、2018年のドナルド・トランプ前大統領による合意離脱に触れながら述べた。
イランは、2015年に同国と主要6ヶ国の間で締結された包括的共同行動計画(JCPOA)のもとで、米国、EU、国連からの制裁の緩和と引き換えに、核兵器獲得を困難にするために核開発計画を抑制することに同意していた。イランは核開発の野心を否定している。
ロイター