
ベイルート:ウクライナ大使館とロイターが確認した外交文書によると、ウクライナ当局は24日、盗まれたとされるウクライナの穀物を運ぶシリア国有の貨物船がレバノンのトリポリ港に停泊するのを禁止するようレバノンに要請した。
ウクライナ大使館はロイターへのコメントで、フィニキア号は黒海のセバストポリ港から盗まれたと思われる6000トンのトウモロコシを輸送していたと述べた。
同大使館は、レバノンの運輸省、財務省、経済省、および税関局に宛てた書簡の中で、トウモロコシが「ザポリージャ、ミコライウ、ヘルソン地域の貯蔵所から盗まれた」と述べた。
この船は「国際法に違反している」とし、レバノンが「前述の貨物船フィニキア号が盗んだウクライナの穀物を売るためにレバノンの港に入ることを許可しない」ことを望むと表明した。
ロイターはレバノンの運輸大臣と財務大臣にコメントを求めたが、すぐには返答はなかった。シリア政府とフィニキア号を所有するシリア海運総局は、書面による質問にすぐには答えなかった。
レバノンの経済大臣は、正式な書簡を受け取っていないが、大使館は過去に同様の書簡を送っていると述べた。
ロシアはこれまで、ウクライナの穀物を盗んでいることを否定してきた。
船舶の位置情報を公開するサイト「マリントラフィック」とトリポリ港の情報筋によると、船はまだトリポリ港に停泊していなかった。
昨年、1万トンの小麦粉と大麦を盗んだとウクライナが主張するシリア船籍のラオディケア号がベイルートに停泊した際、ウクライナは警鐘を鳴らした。レバノンはこの船を差し押さえたが、最終的には船の出航を許可した。船はその後シリアに向かった。
フィニキア号もラオディケア号も、シリア海運総局が所有している。シリア海運総局と同局が所有する船舶は、2015年以来、シリアの戦争に関与した疑いで米国から制裁を受けている。
ウクライナは、2022年2月の侵攻以来、略奪されたとする50万トンのウクライナ産穀物が、いくつかの港から出荷され、2022年にシリアに到着したと推定している。
ウクライナ産穀物の安全な黒海輸出を可能にする協定は7月に失効した。
ロイター