
ベイルート:レバノンの強力なシーア派武装組織ヒズボラの指導者は28日夜に、同国南部の国際連合平和維持軍の任務を同条件で延長しないようけん制した。
31日に期限を迎える国連レバノン暫定軍(UNIFIL)の任務は、昨年若干の修正を加えて延長されたが、ヒズボラの指導者サイード・ハッサン・ナスラッラー氏は当時この修正を「レバノンの主権の侵害」だとして批判した。
同氏は28日に再びこの批判を繰り返した。
「政府とレバノン軍の承認を得ず、レバノン軍との調整なしでレバノン領土において活動する外国の武装部隊、そういった全てのどこに主権があるのだろう」と、ナスラッラー氏はテレビ放送された演説で述べた。
国連決議は、修正された任務の下で平和維持軍は「独立して活動を遂行することが認められる」としている。
安全保障理事会は30日にUNIFIL の任務延長について会合を開く予定だ。
UNIFIL は40年以上前に最初に派遣された。そして、南部の活動地域において日常的にレバノン軍とパトロールや移動の調整を行ってきた。
しかし、レバノン政府も、国連決議の中にそのような調整を行うという規定がないことに異を唱えている。
28日にレバノンのアブドラ・ベンハビブ外務大臣が、レバノンの見解を伝えるためにニューヨークで国連のアントニオ・グテーレス事務総長と会談したと、同国の公式通信社ANIが伝えた。
UNIFILは、パレスチナ人による攻撃への報復としてレバノンに侵攻したイスラエル軍の撤退を監視するために、1978年に設立された。
イスラエルとヒズボラの間で34日間の戦争が行われたことを受けて2006年に強化されたUNIFILは、10,000人以上の部隊と海軍人員を擁し、両者間の停戦監視の任務にあたっている。
イスラエルとレバノンは、厳密にはいまだ戦争状態にある。
12月にヒズボラの拠点となっているイスラエル国境付近の南レバノンで車列が攻撃を受け、UNIFILに所属するアイルランド人兵士1名が死亡し、3名が負傷した。
数日後にヒズボラが主犯と疑われる男をレバノン当局に引き渡したと、治安関係者が当時述べた。ヒズボラはショーン・ルーニー二等兵(23)の殺害への関与を否定した。
西側諸国の多くの政府から「テロリスト」組織とみなされているヒズボラは、1975年から1990年のレバノン内戦後に武装解除をしなかった唯一の組織で、レバノン政界においても強い力を有している。
AFP