
テルアビブ:数千人のイスラエル国民が9月9日土曜日、強硬派政府による司法改革に反対し、国論を二分している改革の重要な要素に関する法廷審問を前に抗議デモを行った。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相の連立政権が1月に今回の提言を発表して以来、イスラエルでは毎週数万人がデモを行い、国内史上最大のデモ運動となっている。
デモ隊は「最高裁判所のない民主主義などありえない。民主主義、民主主義!」と、テルアビブで1月以来毎週土曜日に行われている集会で唱和した。
「最高裁判所は最高位である」と、デモで掲げられた横断幕には書かれていた。
土曜日には、エルサレム、ハイファ、ベエルシェバ、モディイン、ヘルツリーヤ、その他の都市でもデモが行われた。
今回のデモは、最高裁判所が政府の決定を審査する際に使用する、いわゆる「合理性条項」を制限する7月の国会の採決の無効化について、最高裁判所で12日火曜日に行われる審理を前に行われた。
イスラエルには憲法も上院もなく、「合理性条項」の法律は、政府が権限を逸脱したかどうかを裁判官が判断できるようにするために導入された。
最高裁判所は、ネタニヤフ首相の盟友であるアーリエ・デリ氏が脱税の有罪判決を受けたことを理由に閣僚になることを禁じて注目を集めている判決で、この措置を用いていた。
反対派は、自身が否認している汚職容疑で裁判中のネタニヤフ首相が、自身に対して下されうる判決を覆すために、提案中の法的見直しを利用しようとしていると主張している。
ネタニヤフ首相は非難をはねつけた。
「火曜日に、最高裁判所は政府が可決した法律が合法かどうかについて議論することになっています」と、デモ参加者のユバル・インバル氏(21歳)はAFPに語った。
「ここに(抗議に)来なければ、政府が最高裁判所を尊重しないのではないかと恐れています」
7月24日の「合理性条項」の改正は、裁判所がその信条に基づき、選挙で選ばれた公務員に対する裁判を審理したり命令を出したりすることはできない、という内容だ。
反対派は、これは政府に制限なき権限を与え、より権威主義的な支配への道を開くものである、としている。
「ネタニヤフ首相は、革命を起こそうとしている救世主的な入植者たちに乗っ取られてしまっています」と、デモのリーダーであるジョシュ・ドリル氏はAFPに語った。
「彼らは政治の乗っ取りを行い、政治体制を独裁政治に変えようとしています。それは革命であり、今の政権は自分たちと共に国家を崩壊させるつもりなのです」
ネタニヤフ政権は、リクード党と極右・ユダヤ教超正統派との連立政権であり、法改正は議員と司法の権限バランスを調整するために必要であると主張している。
ネタニヤフ政権の支持者たちも時折集会を開き、最高裁判所が自らの不明確な役割を判断する申し立てを審理するのは非論理的だと主張している。
しかし、デモ参加者たちは土曜日に、裁判所にはその権利があると主張した。
「私たちには抑制と均衡のシステムがありません」とドリル氏は語った。
「もし、最高裁の全権限を撤廃しようとしている政府があるとしたら……それなら私の見解では、最高裁が民主主義のプロセスを保護する権利があり、それは必須であるとさえ言えます」
このデモは、世俗派や宗教団体、ブルーカラーや技術部門の労働者、平和活動家や軍の予備役兵など、イスラエルの政治的志向を超えて支持を集めている。
AFP