
テヘラン:イラン政府は、マフサ・アミニさんの死とそれに端を発した数ヶ月にわたるデモから1周年の記念日が近づく中、「騒乱」のいかなる兆候も許容しないという警告を発している。
22歳だったクルド系イラン人のアミニさんは昨年、イスラム共和国が女性に課す厳格な服装規定に違反したとしてテヘランで拘束され、9月16日に死亡した。
彼女の死をきっかけに、「女性、命、自由」というスローガンのもとで全国的デモが数ヶ月続いた。
路上での衝突で数十人の治安部隊員を含む数百人が死亡した。その後、当局はこのデモを外国に扇動された「暴動」と決めつけ鎮圧に動いた。
それから1年が経過した現在、アミニさんの死の1周年を記念するデモが16日(この日は宗教的な祝日でもある)に行われるという計画は公然とは発表されていない。
イブラヒム・ライシ大統領は12日、テレビのインタビューを受けた際に警告を発した。
同大統領は次のように述べた。「このような口実のもとでマフサ・アミニさんの名前を悪用して外国の代理人となり騒乱を起こすつもりの者たち、彼らの身に何が起こるかを我々は知っている」
サデク・ラヒミ司法次官は先月下旬、治安当局は緊張感を持って対応すると述べた。
同司法次官は次のように警告した。「情報機関と治安機関はあらゆる動きを監視している。近日中に街頭に出て問題を起こそうとする者がいれば特定し司法当局に引き渡すことになる」
イラン当局は先週、記念日の「暴動を組織している」として少なくとも5つのソーシャルメディアページを閉鎖し、それらの運営者6人を逮捕した。
昨年のデモの波はイラン政府に大きな挑戦を突きつけた。同国政府はその核開発計画をめぐり欧米主要国とも対立し、懲罰的制裁を受けている。
ファイヤズ・ザヘド教授(現代史)は、「イスラム共和国の歴史上、マフサ・アミニさんの死ほどに体制と国民の間に楔を打ち込んだ事件はない」と指摘する。
また、政府はこの問題を封じ込めるために「治安部隊や弾圧的な対応だけに頼るわけにはいかない」との見方を語る。
北東部の都市マシュハドを拠点とする改革派活動家であるモハマド・サデグ・ジャヴァディ・ヘッサル氏は、多くの人が「今でも昨年の出来事による心の傷を負っている」と語る。
数ヶ月続いたデモは流血だけでなく数千人の逮捕をもたらした。
イランの最高指導者アリー・ハメネイ師は2月、騒乱の終結と、「敵」によって扇動された「陰謀」の敗北を宣言した。「敵」とはデモを支持した欧米諸国政府とイラン反体制派亡命組織を指している。
ハメネイ師は11日、イランの宿敵である米国が、女性の問題を含む「イラン国内に危機を引き起こせると考える問題」を悪用しようとしていると非難した。
1979年のイスラム革命の直後から、イランの女性は頭と首を覆うことを義務付けられている。また、慎ましい衣服を着るよう奨励されている。
昨年のデモは沈静化したが、イランの女性たちの多く、特に首都テヘランの女性の中では、厳格な服装規定に従わない人が増えている。
ザヘド教授は次のように語る。「マフサ運動がイラン社会に与えた最も注目すべき影響は(…)社会がよりカラフルで生き生きとしたものに変化したことだ」
また、「女性の服装が大きく変わった」として、より明るい色への変化にも言及する。
当局は対抗策として公共の場所に監視カメラを設置して違反を監視し、規則に違反した企業を閉鎖させている。
イラン国会は、服装規定に従わない人々への罰則を強化する法案を審議している。
しかし、厳格な処罰を支持する人ばかりではない。
著名なシーア派聖職者である大アヤトラのマカレム・シラジ師は、ヒジャブを強制するために「暴力や圧力」を使用することへの拒絶を表明した。
改革派指導者らも、最近数十人の大学教授が解雇されたことを非難した。
国内メディアが伝えた数人の教授の話によると、彼らが解雇された背景には抗議運動を支持する政治的見解があったという。
活動家のジャヴァディ・ヘッサル氏は、ヒジャブの問題は依然として重要ではあるものの、インフレ率が50%近くで推移しているイランでは多くの国民にとって経済的痛みへの対処が優先事項だと言う。
「国民の主な要求は市民的・政治的自由よりも前に経済の改善だ」と同氏は指摘する。
AFP