
テヘラン:イランは、同国に新たな制裁を科すという「違法な」決定をめぐり、宿敵米国を含む欧米諸国を非難した。
マフサ・アミニさんが警察による拘束下で死亡した日から1周年の記念日の前日にあたる15日、米国、イギリス、EUはイランの複数の個人や団体を対象とした新たな制裁を発表した。
22歳だったクルド系イラン人のアミニさんは2022年、イスラム共和国が女性に課す厳格な服装規定に違反したとしてテヘランで逮捕された後、9月16日に死亡した。
イラン外務省のナセル・カナニ報道官は15日遅くに出された声明の中で、欧米諸国による「違法かつ非外交的な行動」を糾弾した。
また、抗議運動に対する「介入主義的な行動・発言および馬鹿げた偽善的な」支持表明を非難した。
さらに、欧州諸国の外交官らに対し、このような「自分たちの利益にならない非建設的な行為」をやめるよう警告した。
15日に発表された米国の制裁により、イラン政府関係者25人、メディア機関3つ、インターネット検閲企業1社が米国の制裁ブラックリストに追加された。いずれも、アミニさんの死を受けたデモに対するイラン政府による弾圧と関係があったとされている。
その大半は、国家警察やイスラム革命防衛隊の地方司令官である。
また、イラン刑務所機構のトップであるゴラマリ・モハマディ氏も制裁の対象とされた。米財務省は、同氏が拷問や強姦を含む深刻な人権侵害を指揮していると主張している。
3つのメディア機関(国営のプレスTV、タスニム通信、ファルス通信)もブラックリストに追加された。
イギリスの制裁は、イラン文化・イスラム指導省のモハマド・メフディ・イスマイリ大臣およびモハマド・ハシェミ副大臣、テヘランのアリレザ・ザカニ市長、イラン警察のサイード・モンタゼル・アルメフディ報道官を対象としている。
EUは、イラン政府関係者4人(革命防衛隊司令官1人、地方警察署長2人、刑務所長1人)を制裁ブラックリストに追加した。
これらの制裁はカナダおよびオーストラリアとの間でも調整された。
昨年のアミニさんデモでは治安部隊員数十人を含む数百人が死亡し、数千人が逮捕された。イラン政府はこのデモを、外国諸国の政府に扇動された「暴動」と決めつけた。
AFP