毎年3月3日の「世界野生生物の日」は、世界の動植物の多様性を称える機会となっている。しかし、このような自然界への感謝は、以前はそれほど広く受け入れられていたわけではない。
「野生生物(Wildlife)」という言葉は、英語では比較的新しい言葉である。この言葉が初めて使われたのは、150年前、ヨーロッパがアフリカ全域に植民地を拡大していた時代である。植民地政府は自然界を、今日の経済用語で言えば、搾取すべき資本とみなしていた。
植民地政府は自然界を「野生生物」と「森林」に分けた。野生動物は主に大型の哺乳類であり、しばしばトロフィーのために狩猟され、殺された。一方、森林は主に木材として搾取される対象だった。
トロフィーハンティングが減少し、野生動物の写真撮影やエコツーリズムなど、非消費的な利用が増加した1980年代、野生動物という言葉はより広く使われるようになった。
純粋な功利主義的かつ人間中心主義的な視点からのシフトは、自然界には、狩猟やコレクションの対象として魅力的な大型哺乳類や、木材として伐採される巨大な樹木以上のものが存在することを人々が認識するにつれて起こった。
「生物多様性(Biodiversity)」という言葉も、1985年にアメリカの学者E.O.ウィルソンが広めたもので、種を単独で捉えるのではなく、自然界の相互関係をよりよく反映するものとして、一般的に使われるようになった。
サウジアラビアはNCWとサウジアラビア・グリーン・イニシアティブを通じて、2030年までにサウジアラビアの海洋と陸地の生息地の30%を保護することを約束している。
スチュアート・ウィリアムズ
自然界に対するこうした視点の進化が、王国内の保護区で最先端の活動を行うサウジアラビア国立野生生物センターのアプローチに影響を与えている。
サウジアラビアには、ガゼル、アイベックス、オリックス、象徴的なアラビアヒョウのような陸上動物から、サンゴや絶滅の危機に瀕するジュゴンのような脆弱な海洋生物まで、ユニークかつ魅力的な動植物種が豊富に生息している。
アラビア半島には、自然環境を保護し、持続可能な方法で自然と共に働くという伝統が古くから存在している。これには、自然資源の保存を目的とした伝統的な慣習である「ヒマ(Hima/保護地域)」も含まれる。
これらの伝統は、王国が今日の保護区を築く上での基盤となっている。
国立野生生物センターと「サウジ・グリーン・イニシアティブ(SGI)」を通じて、サウジアラビアは2030年までに王国の海洋と陸地の生物生息地の30%を保護することを約束している。
すでに大きな進歩が達成されているが、王国の動植物の保護にはまだ長い道のりがある。国立野生生物センター、教育や国民の意識向上キャンペーンを通じて、王国全体の支援を引き出すことを目指している。
それまでの間、3月3日は野生生物、生物多様性、そして自然界を祝福する機会である。