
ベイルート:レバノンとイスラエルは、争点となっている海洋と領土の境界について、国連の仲介による協議を開催する。レバノンのナビフ・ベリ国会議長が木曜日に発表した。
米国がレバノン南部の国境の町ナコウラで開催が予定されている協議のまとめ役を務めるとベリ議長が記者会見で述べたが、交渉の日取りについては触れなかった。
ベリ議長は、交渉開始の枠組合意に至ったことを発表し、9月22日付けの合意の写しを読み上げた。
「米国は、海洋境界策定の仲介役を務めるようイスラエルとレバノンの双方から依頼され、引き受ける用意がある」と答えたとベリ議長は述べた。
「海洋境界問題は、ナコウラの国連本部にて国連支援の下で協議が続けられる」とした。
「米代表団と米国の対レバノン特別調整役は、彼らが署名する議事録をいっしょに作成し、各会議の最後にイスラエルとレバノンに提示して署名を得る準備ができている」と彼は付け加えた。
国境を警備する国連の平和維持軍はこのニュースを歓迎した。
国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)は、「レバノンとイスラエルが両国間の海洋境界策定の交渉開始について枠組み合意に達したとの本日の発表を歓迎する」と声明で述べた。
「UNIFILは双方に対してどのような支援でも差し伸べ、この問題の解決に向けた努力を促進させる準備がある」とした。
レバノンとイスラエルは厳密に言えばまだ交戦状態にある。
米国のデビッド・シェンカー特命全権公使は9月8日に、「数週間うちに」レバノンへ赴いて交渉開始に向けた枠組み合意に署名したいと述べていた。
海洋境界線は、地中海の炭化水素資源が存在する可能性があるために、特にセンシティブな問題となっている。
2018年2月にレバノンは、地中海の2つのブロックで石油と天然ガスを海洋掘削する初めての契約を、大手エネルギー企業Total、ENI、Novatekから成る合弁企業と交わした。
レバノンは4月に、ブロック4の最初の掘削作業で天然ガスの痕跡が見られたが商業用途に使えるほどの量ではなかったと発表した。
ブロック9の探査はまた開始されていないが、イスラエルがその一部の所有権を主張しているため、こちらは遥かに物議を醸す場所だ。
AFP