
政府は3日、群馬県高崎市で「デジタル田園都市国家構想実現会議」(議長・岸田文雄首相)を開き、高速道路に設置する自動運転車用レーンを2025年度以降、東北自動車道にも新設する方針を示した。政府は既に新東名高速道路で同レーンを設置する方針を打ち出している。
地方の暮らしをデジタル技術で豊かにすることを目的に、今年度末に策定する「デジタルライフライン全国総合整備計画」に盛り込む。首相は計画について、9月をめどに中間取りまとめを行うよう関係省庁に指示した。
自動運転車用レーンは、24年度に新東名の駿河湾沼津―浜松間(静岡県)の約100キロで深夜帯に設置。物流の人手不足に対応するためトラックの運行を目指している。東北道のレーンの区間や走行時間帯など詳細は今後検討する。
この日の会合では、地域交通の活性化に向け、関係省庁による新たな会議の初会合を今月下旬に開く方針も明らかにした。人口減少による利用低迷でバスやタクシー、鉄道などのサービス維持が困難になる中、地域交通と他分野が連携する先進的な取り組みの普及を目指す。
例えば、タクシー会社が介護のデイサービス事業者と協力し、高齢者の送迎を集約して担うことなどを想定している。来年4月ごろに対応策を取りまとめる考え。
時事通信