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COVID-19は中東をキャッシュレス社会に変えるか

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02 Sep 2022 02:09:19 GMT9
02 Sep 2022 02:09:19 GMT9

中東はデジタル革命の先端にいる。最先端のテクノロジーを採用し、経済を多様化することで、この地域の政府は、あらゆる分野で国の近代化を急速に進めている。

フィンテックは、私たちの目の前で起きている変革の最前線にいる。

ACI Worldwideの最新レポートによると、この地域は、リアルタイム決済による生産性と効率性の向上、経済的利益を活用できる特有の立場にある。

この変化は、安全性とセキュリティの問題による、デジタル決済の増加と、COVID-19パンデミックの急加速を正確に反映している。

世界が新常態に戻り、現金流通量が大幅に減少し続ける中、デジタル決済はパンデミック後の世界を発展させるための中心的役割を果たすだろう。COVID-19が、決済取引だけでなく価値を生み出すデジタル経済やビジネスモデルへの強制的な道筋として機能する中、成長・繁栄するフィンテック・エコシステムは、人々の日常生活におけるデジタル決済の役割を後押しし続けるだろう。

しかし、パンデミック以前から、デジタル決済は増加傾向にあり、世界的な現金廃止に向けた重要な動きの1つであった。電子商取引で世界をリードする中国は、スウェーデン、フィンランド、韓国、オーストラリア、イギリスが追随する態勢を整える中、一歩先を行く。

UAEでは、2014年から2019年にかけて、デジタル決済取引が年間ほぼ10%増加した。さらに広く見れば、中東・北アフリカ地域の非現金取引は、2012年から2017年の9.7%に対し、2017年から2022年では23.1%まで増大した。

サウジアラビアでも、2019年のApple Pay導入に続いて、キャッシュレス社会への移行を急速に進めており、改革計画「ビジョン2030」の一環として、2030年までに電子決済70%の目標を掲げている。同王国における非現金取引は2016年までに18%に達し、2020年には28%に達すると予想されていた。しかし、パンデミックという予期せぬ事態により、2023年には69%まで跳ね上がると予測されている。

明らかに、上述のデジタル化目標はもはや願望ではなく、十分に手の届くところにあるのではないか。さらに、これらの目標は、同王国とMENA地域全体の市民の熱意と合致している。

しかし、2019年のアラブニュース・ジャパンのYouGov調査では、多くのアラブ人が日本の現金への依存度を過小評価していることが分かった。日本では今でも現金が最も一般的な支払い方法で、5回の購入のうち4回を現金が占めている。 

続きを読む:現金依存が明らかにする日本社会のパラドックス

2021年のマッキンゼーの調査によると、中東の消費者の58%がデジタル決済手段を強く希望しているが、現金を強く希望しているのはわずか10%だった。

長い間現金に大きく依存してきた地域にとって、60%近い強い選好は驚異的である。このパンデミックにより、デジタル決済の不十分なインフラやサービス、銀行口座を持たない消費者や小売業者、現金に頼った文化などが覆され、これまでにないほど多くのユーザーが初めてデジタル決済を利用し、デジタル化が加速したようだ。

デジタルエコシステムが隆盛する中、ローカルおよびグローバルプレイヤーのインフラは、各ターゲットセグメントのニーズを満たす適切な価値提案と顧客体験を開発するために存在しているのだ。

さらに、この変革は国境を越えて広がる可能性が高く、中東の決済関係者は、今後5年間に予想される重要な変化として、デジタル送金事業者のリアルタイム決済に関する二国間の取り決めを挙げている。

各国の法律や規制を理解し、新しく革新的な技術を追い続けることで、この地域のB2Bプロバイダーは、小規模または大規模の小売業者、さらには政府が本格的で安全なデジタル社会に向けて動き出すのを支援できるようになる。

地域におけるデジタル化への普遍的アクセスを広く普及させる際、社会経済的利益を過小評価すべきではない。

デジタル化により、1人当たりの国内総生産は40%以上に増加し、製造業の雇用は7%、観光業は驚異的な70%、女性の就労率は40%以上に倍増すると、世界銀行は報告している。

さらに、銀行口座と持たない地域で約2,000万人の成人をターゲットにするためには、政府とプロバイダーが協力する必要があると指摘した。これらの機関における信頼構築は、さまざまなデジタル決済ソリューションの利用拡大を確実にする上で重要である。

COVID-19パンデミックの間、非接触型決済やデジタル決済はより安全で、感染が広がりにくいことが証明されたため、消費者はこれらの新しいサービスに信頼を寄せるようになった。消費者は、その手軽さ、スピード、便利さに慣れたのである。

しかし、パンデミック後の状況に入り、過去2年間のデータを見ると、現金がもはや王者ではないことは明らかである。パンデミックもその一因かもしれないが、パンデミックが終息してもデジタル化は止まらないだろう。完全なキャッシュレス化には至っていないかもしれないが、それは私たちの新しい常識になりつつある。

  • ムハナド・エブウィニ氏は、HyperPayの創始者兼CEO
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