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アメリカ気候サミットの、科学技術・財務主要要因を注視せよ

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25 Apr 2021 09:04:11 GMT9
25 Apr 2021 09:04:11 GMT9

コーネリア・マイヤー

アメリカが、地球規模の気候変動についての話し合いの中心に戻ってきた。ジョー・バイデン米大統領は、パリ協定に彼の政権の始めに再参画した。大統領就任から90日以内に、彼は諸リーダーに気候変動サミットへの参加を呼び掛けた。40カ国の国々が招かれ、―バイデン政権の外交政策目標と対立している中国とロシアをも含めた―すべての国々が参加した。

サミットを前にして、国々は気候目標をこれまでより上げ、それぞれ自国の以前の目標を覆そうと躍起になった。例を挙げるならば、アメリカは2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を2005年のレベルから50~52%削減するとした。カナダは2030年までに2005年のレベルから40~45%削減するとして目標を上げた。日本も同様に2030年までに2013年度比で46%削減するとして目標を拡充した。韓国は海外の石炭火力発電所に対する融資を打ち切ることを確約し、ブラジルも従来の2060年までに実質ゼロにするという目標から2050年までに実質ゼロにするという目標に目標を前倒しにした。

各国に先行しているのは、今週GHG排出量を1990年のレベルから55%削減するということを法制化した欧州だ。

欧州のアプローチは、とりわけデータが1990年のレベルと比較されることから、そして、新しい法律が生活のすべての側面に関連していることから、より野心的である。それに対して、アメリカのアプローチは新しい技術、そして、ビジネスによって生み出されうる貢献に強くフォーカスしている。地球温暖化に国境はなく、それが地球温暖化をグローバルな解決が必要な真にグローバルな問題にしている。これは同様に、柔軟性と地域・国の状況への適応を必然的に伴う。

特に注目したい一部の新たな取り組みは、実質ゼロ(石油・ガス)生産国フォーラムで、そこでは石油・ガス生産の40%以上を担う国々―つまり、サウジアラビア、アメリカ、カナダ、ノルウェー、カタール―が実際的な実質ゼロ排出戦略に協力することで合意している。

もし野心的な目標を達成するつもりならば、科学技術は特に興味深いものである。もし明かりを消さないのならば、世界はいまだ炭化水素を必要とするだろう。実際的なアプローチは極めて重要であり、それには水素、二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)、また、炭素の発生抑制、再資源化、除去、そして再使用を目標にしているサウジアラビアの循環炭素経済などが挙げられる。

気候変動はリアルでグローバルな問題であり、少し高めの目標を設定しても悪くはあるまい。

コーネリア・マイヤー

同様に、炭素価格は、それがインセンティブを引き出すだろうから、重要である。サミットでは、この問題に注意が向けられた。EUは炭素価格決定方式を提示し、とりわけ、カリフォルニアは独自の炭素取引計画を持っている。炭素排出がグローバルな問題だとすれば、より包括的でグローバルな解決法が求められる。

気候変動に関連する投資の取得能力は、多くの発展途上国にとって問題である。パリ協定は補償機構を予見している。この目標に向けて、バイデン政権は2024年までの発展途上国に対する支援額を57億ドルに倍増すると確約した。

ブルームバーグとのインタビューで、アメリカ気候変動問題担当特使であるジョン・ケリーは、気候目標の達成における財務の重要性を強調した。彼には確かに一理ある―気候変動の経済的悪影響は実在する―。今週の始めにリリースされたレポートによると、スイス・リーは、気候変動に起因する損失は、もし地球温暖化が産業革命前のレベルのに対して1.5度増までに抑えられなかったら、今世紀半ばまでで230億ドルにまで達するだろうと見積もっている。

財界には大きな数字と警鐘がある。銀行と投資家はますますESG基準に注目している。銀行と投資家は、政府が環境規制を増やしたために「足止めを食らう」リスクにある資産投資に慎重である。確かに、ESG準拠の投資が世界的に最も早く成長している資産クラスならば、財務はおそらく気候変動の裏側のもっとも強力なけん引役の1つである。

多くの人々が目標が達成されるのには高すぎると非難した。気候変動がリアルでグローバルな問題であるのならば、少し高めの目標を設定しても悪くはあるまい。いつでも反対論者はいるだろう。しかしながら、アプローチが現実的でかつ柔軟で、科学技術に着目し、とりわけ発展途上世界の様々な地理の制約を考慮に入れることで、初めて努力は実を結ぶことができる。中国、アメリカ、そして欧州は全世界のGHG排出量のうち50%以上のGHGを排出している。この問題について議論するために皆が同じテーブルに着くのは、今年の11月にグラスゴーで開催される予定となっているCOP 26に至る厳しい道のりの良いファーストステップである。

・コーネリア・マイヤーは博士号を取得した経済学者であり、投資銀行と産業界で30年の経験を持つ。ビジネスコンサルタント会社マイヤーリソースィズの会長兼CEOを務めている。

ツイッター:@MeyerResources

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