パリ—- コロナウイルスの危機が引き金となり、世界の石油の需要がピークに達したという話題が持ち上がったものの、OPEC(石油輸出国機構)グループは、発展途上国における自動車の利用増加が大きな原因となり、次の四半世紀も原油の消費拡大は続くと見ている。
木曜日に発表された最新のOPECの予想によれば、パンデミックが世界経済を落ち込ませ、石油の需要を激しく落ち込ませたにもかかわらず、OPECが長期的に見ている影響は驚くほど小さい。
経済の回復ペースが石油消費の回復速度を物語ることとなるが、その一方、ゆるやかな回復を想定するOPECの筋書きでは、最終的な需要拡大を見据えている。
OPECは最新の『石油の世界的概況』で、「世界規模では、石油の需要は長期的に約10 mbd(1日あたりの100万バレル単位での表記)ずつ増加する見込みであり、これにより、2019年の99.7 mbdから… 2045年の109.1 mbdへと増加する」と述べている。
この基礎となるシナリオでは、消費レベルがコロナウイルス以前と比べて9.4%増となっている。
緩慢な成長の筋書きの下、OPECは石油の需要に5%増を期待している。
環境技術と厳しい気象変動対策を迅速に採用したとしても、同グループは依然として3.1%の消費増を予想している。
OPECの予想は、大手石油会社であるBPなど、業界の一部の立役者のものとは対照的である。同社の最新の長期的見積もりによる予想では、石油の需要は既にピークを迎えているか、そうでなければ、再生可能エネルギーの利用増加とコロナウイルスの影響で、近い将来、ピークを迎えることになる。
しかし、同カルテルの予想でさえ、特定の地域におけるその変化の影響が既に出つつあることを明るみに出している。
同カルテルの見立てによれば、石油の需要はOECD(経済協力開発機構)を構成する先進国では既にピークを迎えており、一方、発展途上国では拡大が続く見込みだ。
報告書は、「大きく2種類に分けた地域で、需要予想は対照的な未来予想図を描いている。OECDの長期的需要は縮小し、OECD非加盟国では需要は拡大する」と説明している。
また、同報告書は、このように言い添えている。「この点について、人口の増加と高い経済成長率が見られる中国および他の発展途上国(DC)は、エネルギー需要の拡大で主要な役割を果たしている。一方、OECDの先進国はエネルギー効率および低炭素技術にいっそう尽力している。」
中国とインドはそのエネルギー需要の拡大の半分を生み出すことが予想されている。
OPECは、OECD加盟諸国における石油の需要のピークは2022年から2025年に到来し、その後、電気自動車への切り替えが大きな原因となり、縮小すると予想している。
しかし、OPECは、石油の需要により、中国とインドの陸運が最大の利益をもたらすと見ている。
中国では、走行する自動車の数が3倍になっているため、需要拡大全体の約半分は陸運であることが予想されている。インドでは、自動車の数が5倍以上に増えることが予想されている。
AFP