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サウジビジョン2030:啓発される指導者たち、着実に進む改革

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01 May 2021 04:05:49 GMT9
01 May 2021 04:05:49 GMT9

今月はビジョン2030の歴史的立ち上げからちょうど5年目にあたり、サウジアラビアは今まさに、新たな展開と広範にわたる躍進を遂げようとしている。様々な意欲的なプラン、プロジェクト、そしてイニシアチブを含むビジョン2030の幕開けは、まさにサウジアラビアの国家と社会を変革させ、その歴史に新たな一時代をもたらすことを意味する。

ビジョン2030の中身を詳細に見てみると、中断や混乱をきたす可能性を回避しながら、現在極めて必要とされている方向転換を確実に実現させる方法によって、継承と変化の両方を併せ持っているということがわかるだろう。これはビジョン2030が、現代サウジアラビア創設の父アブドゥルアズィーズ・アル=サウド国王の先見性と知恵、そして彼の洞察力とに大きく基づいているからであり、同時に現代の要件をも満たすために、これまで保持してきた一線を凌駕している。その最たるものが情報テクノロジー、サイバネティクス、そして通信分野における飛躍的前進だ。

こうした継承と変化の一体化は、「安定は、必要な変化を導入する能力にかかっている」という確固たる信念が前提となっている。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子にはこの考えがしっかりと浸透しており、それに基づいて行動しており、今週テレビ放送されたビジョン2030に関する包括的な振り返りの中にそのことがふんだんに表れている。

ビジョン2030の最初の5年間は非常に骨の折れる困難なものであった、とムハンマド・アル=トゥヴィジリ博士が先ごろの協議で述べていた。彼はサウジアラビアの海外外交使節団の多数の責任者たちと話し合いを持っていた。これは最初の5年間によって、ビジョン2030の基礎が固まり、ビジョンを目指す旅路の最終地点へと続く道のりを形作るインフラストラクチャを、付随的する様々なプログラムやイニシアチブと併せて構築しなければならなかったからだ。まずは国家変革プログラムから開始された。このプログラムはビジョン2030(全部で96の戦略目標を含む)の30%達成を目指し、政府業務の質とスピードの変革がその全てであった。

国家変革プログラムとともに、国家歳入の主要財源および国の経済の基盤として石油に完全に依存していた時代を終結させるため、多くの計画やプロジェクトが考案された。一方、収入源の多様化という原則に基づいた新たな経済政策を採択した。これは多様で創造性に富む現実かつ潜在的な国庫財源の取り扱いを通して実現された。

コロナウィルス疾患によってある程度の調整は必要となったが、前進を続けるというサウジアラビアの決意はまったく揺るがなかった。

ハリド・ジンダン(DR.)

さらに、一段と活気のある社会を作り、極めて持続可能性の高い開発を達成するというビ ジョン2030の意欲的な目標に則って、この社会経済開発プロセスを以下のような分野にわたって強化するための具体的な方法や決定事項が採択された:民間部門と公共部門との関係の基盤として、競争力を提携関係に置き換えることで国の経済における民間部門の役割を活性化させる。

政府と行政の行動上の必要前提条件として、効率、透明性、開放性、説明責任の価値を強調する。

社会・経済の発展過程における主な要素として、社会の若い世代に焦点を置く。

公共および民間部門における正当な役割が期待できるような、利用可能な全ての経路を開放して女性をエンパワーする。

今日、我が国にはこれまでになく多くのCEO、副大臣、それに特筆すべき3人の女性大使がいる。この女性大使たちは米国、ノルウェー、スウェーデンにおける外交ミッションの指導的役割を果たす任務を受けており、パリのユネスコへのサウジ代表については言うまでも  ない。

国内外での投資に新たな意味合いをもたらし、パブリック・インベストメント・ファンド(政府系投資ファンド)が紅海プロジェクト、キディヤとディリヤ、NEOM 、ザ・ラインのような巨大投資プロジェクトやその他様々な全国的プロジェクトに融資する中心的役割を 担っている。これらのプロジェクトは全て内外のビジネスと提携して実施されている。

サウジアラビアの広大で多様な物理環境における観光業の大きな潜在性を活用する。

シアター、音楽、映画産業をはじめ、文化活動やあらゆる形態のアートを推進する。

我が国全土に広がる様々な古代史跡や遺跡に見る我々の太古からの宝を再発見する。

規律、効率、法規へのコンプライアンスを保証する厳重な監視システムを採択し、あらゆる形の不正や背任行為に対する組織的な反対運動を立ち上げる。

上記は全て改革の一例にすぎず、それらはビジョン2030の要旨と本質を構成している。

コロナウィルス感染症による打撃によってビジョン2030の戦略に若干の調整は必要となったかもしれないが、前進を続けるというサウジアラビアの決意はまったく揺るがなかった。最も驚くべきことは、パンデミック中においてもG20サミットを主催することができたことだ。コロナウィルス危機は我々を弱め衰えさせる代わりに、環境改善のためにもっと多くのことをするよう我々を促した。そして二つのイニシアチブがこの問題について追加発表された。サウジグリーンおよび中東グリーンというイニシアチブだ。

これらの二つのプロジェクトは、サウジアラビアに100万本の植樹を行い、最終的にはこの計画を拡大して、全中東諸国と国際コミュニティが一丸となって500万本の木で中東全域を覆い尽くすことを目標としている。この大胆な構想は炭素排気量、塵埃による汚染、大気汚染を大幅に低減させたクリーンな環境を作り出すことを目的としている。

これらのグリーンイニシアチブは、気候変動の影響を抑制するという我々の決意を確認するものだ。

ビジョン2030の立ち上げから5年が過ぎ、その主な実質の大部分が実現された。しかし、間違いなく改革は続く。皇太子が重要なテレビインタビューでそのことをはっきりと明言している。

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