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それほど複雑なことではないはず、バイデン氏よ!

ジョー・バイデン米国大統領(AFP通信)
ジョー・バイデン米国大統領(AFP通信)
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21 Jan 2022 12:01:58 GMT9
21 Jan 2022 12:01:58 GMT9

 

ジョー・バイデン大統領は、今月19日にホワイトハウスでアル・アラビーヤからの質問に答えて、イランが支援するイエメンのフーシ派民兵組織を米国の外国テロ組織リストに戻すことを検討していると述べた。

これは前向きな一歩であり、早ければ早いほどいい。というのも、現職の米国大統領は、深く考え込むことで知られていて、時には考え込みすぎることもある。

不正な国家や悪意のある組織が幅を利かせている、変化の激しい今の世界では、最良の答えは明白なものかもしれない。

湾岸地域の多くの人々にとって、この議論はこれ以上ないほど簡潔なものである。実際、米国はすでにその立場を表明しており、今週のフーシ派によるアブダビへの無人機攻撃を非難する独自の声明の中で、ホワイトハウスと国務省は、数日前にアブダビで起きた出来事をテロ攻撃と表現している。経験豊富で頭脳明晰なバイデン政権の補佐には失礼だが、テロ行為を行えば、間違いなくテロリスト、テロ組織ではないのか?

フーシ派はアブダビへの攻撃を過失と主張して謝罪するどころか、自慢しているのだ。

経験豊富で頭脳明晰なバイデン政権の補佐には失礼だが、テロ行為を行えば、間違いなくテロリスト、テロ組織ではないのか?

ファイサル・J・アッバス

もしバイデン政権が本当にフーシ派をテロ組織リストに戻すとすれば、そもそもなぜ彼らを取り消したのかという疑問が残る。  トランプ時代に決定されたテロ指定が完全に取り消される12日前の2021年2月、アブダビと同じく民間施設であるサウジアラビア南西部のアブハー空港が、フーシ派のドローンやミサイルの攻撃を受けた。

その後、7月、8月、10月、11月、12月にも空港を狙ったテロが発生し、負傷者や犠牲者が出た。当時、米国は同盟国、そしてパートナーであるサウジアラビアを支援するどころか、ミサイル防衛用のパトリオットを王国から撤退させ、以前から指摘されているように、まるでイスラエルがガザから発射されるハマスのミサイルに攻撃されているときに、アイアンドーム技術の提供を拒むような行為である。

どの国の外交政策も、たとえ世界的な超大国である米国であっても、最終的には自己利益に基づいて行われることは自明の理である。だからこそ、米国が同盟国やパートナーを軽視していることは、より不可解なことだ。バイデン政権は、米国のために最善を尽くすどころか、自ら墓穴を掘っているようなものだ。

フーシ派は「アメリカに死を」という言葉を掲げ、何はなくとも正直なものだ。オバマ政権下の2016年には米海軍を3回攻撃し、昨年11月にはサヌアの米国大使館の敷地内を襲撃して現地スタッフを人質にした。そして今週のアブダビへの攻撃を受けて、UAEに住む5万人以上の米国人が標的になっている。

また、UAEとサウジアラビアは石油の主要生産国であり、バイデン政権は米国で燃料価格の高騰により影響を受けている。現在7年ぶりの高値となっている世界の原油価格が、2019年のサウジアラビアのエネルギーインフラへの攻撃を含むフーシ派による安全保障上の脅威とまったく無関係だと、バイデン大統領の補佐たちは本気で信じているのだろうか。

単純明快な真実は、米国がサウジアラビア、UAE、イスラエルといった地域の同盟国やパートナーを必要としているということである。イランへの対処法や、同国が代理民兵を使って地域に悪影響を及しているという状況など、米国と意見が合わない課題があるにしろ、不可欠なパートナーシップを築く土台となっている分野の方が圧倒的に多い。米国の大統領とその補佐たちは、この事実を思い出すべきだ。

  • ファイサル・J・アッバス氏は、ツイッター版アラブニュースの編集長。 @FaisalJAbbas

 

 

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