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マリウポル、アレッポ、そして一貫性と対話の模索

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01 Apr 2022 01:04:28 GMT9

土曜日、サウジアラビア外相のファイサル・ビン・ファルハーン王子とEUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表が興味深いやりとりを交わした。この会話は、王国の要請を明確にした。それは、国際的危機に対する一貫したアプローチと、EUと地域パートナー――サウジアラビアや他の湾岸協力会議(GCC)加盟国を含む――との持続的対話が必要であるというものだ。

カタールで開催されたドーハ・フォーラムで、ボレル氏は、ウクライナのマリウポリへの空爆とそれ以前のシリアのアレッポへの攻撃を比較し、「マリウポルは欧州のアレッポ」であると述べた。サウジアラビア外相はこう答えた。「アレッポは我々のアレッポだ」と。ボレル氏は、外相がアレッポの窮状を欧州に責任転嫁していることを懸念し、こう反論した。「アレッポを爆撃していたのは誰だ?ヨーロッパ人ではない」

ファイサル王子は「もちろん、あなたたちではない」と言い、マリウポルとアレッポでは国際社会と「有効な力を持ちうる国」の関与が違っていたと説明した。ウクライナに関する結束のメッセージは称賛に値するが、「国際社会とのより良い対話が必要だ」と外相は付け加えた。

国連総会における、ロシアのウクライナ攻撃に関する決議の採決は、そのような幅広い対話の必要性を明らかにした。GCC諸国はすべてこれらの決議に投票したが、「賛成」投票に加わることを辞退した国が数十カ国あった。

国連総会での抵抗は、必ずしもロシアとのつながりが理由ではなく、「世界的に公平な文脈で危機に対処する方法について、十分な会話がなされていないため」だとファイサル王子は述べた。

また、ファイサル王子は、ウクライナ危機に対処する最善の方法は、両当事者の対話を通じて政治的解決を図り、民間人の苦しみを終わらせることであると述べた。

ドーハ・フォーラムに先立つ他のコメントで、サウジアラビア外相は多国間行動を呼びかけ、次のように述べた。「気候、経済、その他パンデミックなどの課題を含め、いかなる課題も単独で直面することはできない。これらの課題は互いに協力しなければ克服できない」。また、国際的なアジェンダの策定において各国のコミットメントが弱く、参加も限定的であることを嘆いた。外相は「アジェンダが一部の人だけでなく、すべての人のニーズを満たすようにしなければならない」と述べ、「我々はまた、国際的な舞台でパートナーと協力し、国際的なアジェンダを設定する上でより効果的になる必要がある」と続けた。王子はその包括的な関与に、特に「グローバル・サウス」を含める必要性に言及した。

このようなやりとりの中で、2つの主要な問題がある。1つは国際法の一貫性のない適用について、もう1つはグローバル・ノースとグローバル・サウス、すなわち西洋と、その他の国々との間における不十分な「対話」についてである。この2つの問題は、ウクライナ危機に対する様々な反応や、国連の投票に現れている。

ウクライナから得られる教訓は、国際的なルールに基づくシステムの違反は、それがどこで行われようとも、罰せられなければならないというものだ。

アブデル・アジーズ・アルウェイシグ博士

2011年以来、シリア人はアサド政権、イラン、ロシア、ヒズボラ、その他の外国人宗派民兵によって残虐な扱いを受けてきた。また、ダーイシュなどのテロリスト集団もこの国を荒廃させた。何十万人もの人々が殺され、人口の半分が家を失った。人口密集地への無差別爆撃に加え、政権による多くの化学兵器攻撃が記録されている。

国際社会は非難を表明し、犠牲者に“寛大な”人道支援を提供する以外、11年以上にわたってシリアの殺戮が続くことを許してきた。

政治的解決のための働きかけはあまりに弱々しく、結果は出ていない。国連特使は成功することなく、来ては去っていった。

ウクライナから得られる教訓は、国際的なルールに基づくシステムの違反は、それがどこで行われようとも、罰せられなければならないというものだ。シリアのように、ある場所でルールが損なわれるのを許せば、他の場所での不法行為を助長することになる。

また、ドーハ・フォーラムでは、一部の国や地域が、他の国や地域よりも平等であるとされる不平等な国際序列を指摘する声も聞かれた。グローバルなルールを適用する際の「ダブルスタンダード(二重基準)」について話す人もいた。

そうした発言の中には、議論を喚起するための厳しいレトリックもあったが、政治的な問題だけでなく、健康危機への対処や貿易問題についても、グローバル・ノースとグローバル・サウスの国々の間で十分な協議が行われていないという、根本的な認識に取り組むことが重要であろう。

例えば、イラン核合意の復活を目指したウィーン協議がある。GCC諸国はイランに近く、協議の結果に最も影響を受けるにもかかわらず、この協議から除外されている。米国はこの協議で一貫してGCCパートナーと協議してきたが、他の参加国はそうしてこなかった。この協定に関するGCCの懸念は、この「包括的共同行動計画(JCPOA)」のほとんどの締約国によって、ほぼ無視されている。

ウクライナをめぐる強い姿勢と行動は、それが政治的か否かを問わず、他の課題に取り組むための国際的結束を再構築するのに役立つはずである。例えばシリアにおいても、政治的解決に向けて断固とした後押しをする必要がある。国際社会はすでに、多くの国連安全保障理事会決議、特に決議第2254号の遂行という形で、選挙を実施し、シリア人が自由に指導者を選べるようにするための暫定的な政府当局を求める発言をしている。国際社会が新たに結束したことに加え、ウクライナ危機がシリアにおける力学を変化させ、そのような後押しを促したのかもしれない。

ウクライナ危機の安全保障と経済への影響は、影響を受けたすべての地域と国の間で協調して行動する必要性を浮き彫りにしている。このような調整には、より強固で持続的な関与が必要である。最近ブリュッセルで行われたEU・GCC外相会合では、2022年から2027年までの新たな共同行動計画が採択された。これは、両連合の優先課題を網羅した、そのような対話の良い出発点となるものである。

  • アブデル・アジーズ・アルウェイシグ氏は湾岸協力会議政治問題・交渉担当事務次長で、アラブニュースのコラムニスト。本記事で表明した見解は個人的なものであり、湾岸協力会議の見解を必ずしも代表するものではない。ツイッター: @abuhamad1
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