Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 日本
  • 対中ロ・核軍縮議題に19日開幕=広島サミット、G7の結束焦点

対中ロ・核軍縮議題に19日開幕=広島サミット、G7の結束焦点

Short Url:
06 May 2023 09:05:05 GMT9
06 May 2023 09:05:05 GMT9

日本が議長国を務める先進7カ国首脳会議(G7サミット)は19日、広島市で開幕する。ウクライナ侵攻を続けるロシアや、覇権主義的な動きを加速させる中国に対し、G7首脳が一致したメッセージを打ち出せるかが最大の焦点。岸田文雄首相は、被爆地から「核兵器のない世界」に向けた力強い発信ができるかも問われる。

「国際社会が歴史の転換点を迎える中で、これまでの外交成果をサミットでの議論の糧にし、G7の結束、グローバルサウスとの連携強化につなげる」。首相は4日の内外記者会見でこう強調した。

4月に長野県軽井沢町で開かれたG7外相会合の共同声明は、ロシアに即時・無条件の撤退を要求。対ロ制裁強化やウクライナ支援の継続を明記した。ロシアの方針転換が見通せない中、首相はこうした方針をサミットで改めて確認し、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」の堅持を訴える考えだ。

サミットには、ウクライナのゼレンスキー大統領もオンラインで出席。首相は、第三国による武器支援や制裁回避の防止で、G7の共同歩調を目指す。一方、G7が検討中と一部で報じられた全面的な対ロ輸出禁止措置に、日本は否定的だ。

中国への対応を巡っては、足並みの乱れも懸念される。フランスのマクロン大統領がサミットに先立つ4月上旬、台湾情勢を巡り「対米追従すべきではない」と発言。その後のG7外相会合では、同国のコロナ外相が釈明に追われた。

アジアでサミットを開催する機会を生かし、日本はインド太平洋の地域情勢を議論の軸に据える。首相としては、世界中で力による一方的な現状変更を容認しない姿勢を示して中国をけん制したい考えで、G7の結束を維持する手腕が問われそうだ。

「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との連携強化もテーマとなる。ウクライナ危機は、食料・エネルギー価格の高騰に苦しむ新興・途上国と、G7の立場の違いを浮き彫りにした。首相は「法の支配」の重要性をG7以外にも浸透させるため、グローバルサウスの代表格インドやアフリカ連合(AU)の議長国コモロなど、8カ国の首脳を招待した。

◇AI対応も議論

日本でのG7サミットは、2016年の伊勢志摩以来、7回目。被爆地・広島開催で注目が集まるのは、首相のライフワークである「核なき世界」に向けた発信だ。日本は核軍縮・不拡散に絞った首脳宣言を検討。核保有国の米英仏を含むG7がそろって「核不使用の継続」の重要性をアピールするとみられる。

サミットではまた、経済安全保障や気候変動対策なども議題となる見通し。4月下旬のG7デジタル・技術相会合でメインテーマとなった対話型人工知能(AI)「チャットGPT」など生成AIへの対応を巡っても意見を交わす。 

時事通信

特に人気
オススメ

return to top