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レバノンの新内閣は既におまけの期間にある

レバノン大統領のミシェル・アウン(中央)がバアブダーの大統領官邸で行われる新内閣の第一回会議に向かっている。(ロイター)
レバノン大統領のミシェル・アウン(中央)がバアブダーの大統領官邸で行われる新内閣の第一回会議に向かっている。(ロイター)
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24 Jan 2020 02:01:55 GMT9
バリア・アラマディン
24 Jan 2020 02:01:55 GMT9

一般市民の嘆きに耳を貸し、新しい透明な統治モデルを作り出すための本物の努力がなされてもよかった。しかし、そうはならず、相変わらずの腐敗した古い派閥が結託し、皆で市民の顔に唾を吐きかけた。これは、変化に同意したがらない指導者層である—— 国家の生き血を吸い続け、レバノンの首に噛みついて力を緩めようとしない。

任命される大臣が、仮に、ハッサン・ディアブ次期総理大臣の主張の通りに「無党派」の「独立した」人物だったとしたなら、何週間もの党派間の押し問答、企て、瀬戸際政策は何だったのだろうか。市民をこれ以上挑発せず、なだめたいなら、目の前で起きていることを理解できない無知蒙昧な存在として扱うことをやめよ。

ディアブは無作為に引き抜かれ、目下のところ、役には立つものの、無能なつなぎである——  必要な派閥のボックスにチェックは入ったけれども誰の代表でもない。明日、彼は自分の目的を達成した時にすぐさま処分されるだろう。ミシェル・アウン大統領とナビフ・ベリ国会議長が土壇場で既成事実をつくり、最終候補者の一覧がディアブに提出された。この新政権の糸を引くのは誰なのだろうか。

この政府によって想定されるのは、腐敗し、信用を失墜した古い宗派体制の消滅を許すべき理由を市民が思い出すことだ---- 思い起こすどころではないのだが。大臣たちは主要党派の特典として、引き続き、民間銀行や雇用提供者として業務を行うだろう。任命予定の人物として、ダマスカスに極端に接近していることでかつて悪名が高かったムハンマド・ファフミなどが入っていることは、私たちが知るべきことをすべて物語っている。

内閣の合意書がひとたび成立してしまえば、徹底的な取り締まりが可能になり、抗議運動に同情的な治安部隊の人員の粛清が行われる恐れがある。テヘランは、どんな犠牲を払おうともベイルートの街で命令を執行する時がきたとヒズボラに対して指示してきた。

しかし、ワリド・ジャンブラットとその他の老練家たちは、この「救難」政府にチャンスを与えるべきだと主張してきた。経済学者で新金融大臣のガーズィ・ワズニに、国家財政の開胸手術を行うための余裕を与えるべきである。門戸を開いて世界銀行や他の援助国、投資家の支援を受けるために、既得権益者の怒りを買うであろう対策も含め、抜本的改革の導入を彼に許すべきだ。公共セクターの予算から何十年も組織的に盗みを働いた挙句、レバノンは、債務残高GDP比152%で、世界第3位の赤字国家となっている。現在の危機的状況は、財務上の窮地に対する耐性が最も低い小規模事業やコミュニティに損害を与えてきた。一方、エリート層は、物価の急騰と貨幣価格の変動で利益をあげつつ、自分たちの資産を悠々と引き出している。

このような状況にもかかわらず、内閣で、ゼイナ・アカールなど、5名の女性議員を目にするのは新鮮である。彼女は、少なからず重要な防衛大臣および副首相の役割を果たすだろう。

問題は、この政府が拒絶されるかどうかではなく、最小必要人数のレバノン市民が拒絶を訴えた時に、鍵となる黒幕がどのように対応するかである。誰もが興味を持って新大臣らがどのようにレバノンの金融体制の止血をするかを見たがっている一方、市民は既に街に出て、この政権が延命政権であることを明確にしている。

この政府によって想定されるのは、腐敗し、信用失墜した古い宗派体制消滅を許すべき理由を市民が思い起こすことだ。

バーリア・アラムッディーン

暴動は新たな局面に突入しており、より洗練されたアプローチを必要としている。漠然と変化を求めたり、宗派による党派を拒絶したりすることでは、もはや充分ではない。抗議運動は、幹部がいないことによって、当初は完璧に民主主義的で包括的だったが、同時に、存在感がなく、強固な力に打ち負かされた。抗議運動はもう本気を出して、宗派後の、コミュニティを横断する力として、古い秩序を一掃するために政界に入るべきだ。

活動家と知識人は、ターイフ合意後の統治体制がどのようであるべきかを概念化するべきだ。どのようにして、説明責任、透明性、効率的な統治を新憲法の中に記すことができるだろうか。どのようにすれば、白髪の武将に再び権力を委ねることなく、コミュニティと少数派の代表を決めることができるだろうか。どのようにして、レバノンの主権と国家のアイデンティティを敵対国の利益から守ることができるだろうか。

複数の国がヒズボラをテロリスト運動だと認識している。直接・間接の別を問わず、ヒズボラの行政への参加は、援助国にとっては超えてはならない一線だ。レバノンの宗派体制の廃止に伴って一掃されることを避けたければ、ヒズボラは、武器とイランへの依存を放棄すべきである。

レバノンは内在的に多様性国家であり、どの党派(特に、主権、自立、国内の平和を脅かす宗派政党)あるいは政策も、単体でその統治体制を独占することはできない。レバノンの老齢の指導者たちは変化を望まないことを証明してきた。したがって、彼らは交代すべきである。

バーリア・アラムッディーンは受賞歴のあるジャーナリストで、中東および英国のキャスターである。彼女は『メディア・サービス・シンジケート』の編集者であり、多くの国家首脳のインタビューを行ってきた。

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