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米民主党は混乱し、コントロールを失いつつある

水曜日、CNNのインタビュー中にメモを落とすジョー・バイデン大統領。(Videograb/CNN)
水曜日、CNNのインタビュー中にメモを落とすジョー・バイデン大統領。(Videograb/CNN)
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14 Oct 2022 03:10:16 GMT9
14 Oct 2022 03:10:16 GMT9

ここ数日、産油国の団体OPECプラスが11月から日量200万バレルの減産を決めた件に関して、ワシントンからは多くの意見が出ている。これらの意見には非常に馬鹿げた思い込みから、単に不正確な情報まで様々なものがあるが、はっきり言えるのは、今やこの問題についてのアメリカ政府関係者の発言はどれも、真面目に受け取るに値しないということだ。

ホワイトハウスの国家安全保障会議のジョン・カービー報道官によると、サウジ政府のこの件に関する見解は単なる「混乱」に過ぎないという。サウジアラビアの見解は、同国外務省が木曜日に出した声明に、見事なまでに明瞭に表されている。声明によれば、減産の決定は加盟国すべての合意に基づくもので、世界のエネルギー市場の安定化を目的としている。

例えば、サウジアラビアがジョー・バイデン大統領との間に交わされた石油価格に関する約束を破ったと思い込んでいる民主党議員から聞かれる怒りの声であるが、バイデン大統領自身が水曜日のCNNのインタビューで述べている通り、7月の大統領のサウジ訪問時、議題となったのは主に中東地域全体でのアメリカの戦略的利益についてであって、石油については議論されなかった。

さらに、トム・コットン上院議員(共和党、アーカンソー州)が明かしたところでは、アメリカ政府内には基本的に石油減産への反対意見はない。単に、11月の中間選挙に響かないよう、事後的に声明を出したというだけだ。サウジ外務省の声明も、これを間接的に裏付けている。声明では、減産についてアメリカ側とは事前に協議をしており、アメリカ政府はこの決定を1か月先延ばしにするよう要請しただけで、決定そのものに異議を唱えてはいない。

したがって、我々が目にしているのは、民主党が自らの利益を最優先しながら、あたかもウクライナと世界経済の行く末を案じているふりをしているという、分かりやすい構図である。これが「混乱」でないなら、何がそうだというのか。

OPECプラスの決定は「経済的ナンセンス」である、言い換えれば石油価格は急騰するだろう、という彼らの緊急の警告にもかかわらず、現実には、それとは正反対のことが起きている。

「経済的ナンセンス」は、実際はバイデン氏がCNNのインタビューで行った、アメリカ経済に景気後退は起きないだろうとする主張の方である。フィナンシャル・タイムズによる調査にでは、一流の経済学者の70%が来年のアメリカの景気後退を予想しているのだが、大統領はこれらの学者より経済に詳しいのだろうか。

真の「混乱」についてだが、減産によってある仕方で、サウジアラビアが対ウクライナ戦争でロシアを支援しているという主張に、どう反論すればよいのだろう。本気でこのような主張をしているのだろうか?水曜日に国連で、ウクライナのドンバス地方の領土併合を非難する一票を投じたサウジアラビア、一貫して道理にかなった立場を取っていることで、駐サウジウクライナ大使から謝意を表明され、またまさにこの紙上で、捕虜交換の仲介役を果たしたことでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領から感謝されたサウジアラビアが、である。

結局、バイデン氏や他のアメリカの政治家がサウジアラビアは自国の利益のために行動しているとか、OPECプラスは世界の石油市場の利益のために行動していると主張しても、それは非難にはなりえず、むしろ賛辞になってしまうだろう。サウジもOPECも、ただ自分の仕事をしているだけなのだ。

一方で、世界の石油市場の安定を犠牲にして、特定のアメリカの政党が選挙で票を得られるように助けることは、サウジアラビアとOPECの仕事ではない。アメリカの議会のいずれかの支配権が別の党に移ったからといって、世界が終わるわけではない。だが、もしエネルギー市場のコントロールが効かなくなれば、その帰結は実に恐ろしいものになりうるのだ。

  • ファイサル・J・アッバスはアラブニュースの編集長である。

ツイッター: @FaisalJAbbas

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