ロンドン:サウジアラビアの投資相は16日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)で、エネルギー転換が湾岸地域の成長を継続させる戦略の中核となるだろうと述べた。
「最も重要なのは、政治的安定、長期的視野、一貫性だ」と、ハーリド・アル・ファーレフ投資相は「湾岸経済:オールイン」と題されたパネルで語った。
「サウジアラビアは、GCC(湾岸協力理事会)のパートナーとの協力に尽力している。また、民間企業はGCC諸国に完全に組み込まれており、お互いに価値を生み出している」と付け加えた。
The GCC is attracting FDI at more than twice the average rate than around the world – Minister of Investment HE @Khalid_AlFalih says during #WEF24 session on ‘Gulf Economies: All In’ #SaudiAtDavos pic.twitter.com/ZIFNCz4fOH
— وزارة الاقتصاد والتخطيط (@MEPSaudi) January 16, 2024
アル・ファーレフ氏は、この地域は「脱炭素化された、環境に適したエネルギーミックスへと移行していくだろう。その中には石油とガスが長期間存続する一方で、もちろんグリーンエネルギーやブルーエネルギー、その他の新興エネルギーも導入されていくだろう」と述べた。
「これはサウジアラビアにとって大きな成長の可能性を秘めているが、地域レベルで行われると信じている」
「我々が再生可能エネルギーと水素の分野を構築する中、サウジアラビアの企業は、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、クウェート、オマーンに多額の投資を行ってきた」
アル・ファーレフ氏はまた、湾岸諸国が経済を強化するために化石燃料からの多角化を模索する中、他の国々でも進展が見られていると指摘した。
「もう一つのトレンドは、もちろんデジタル移行だ。クラウドコンピューティング、最近ではAI(人工知能)など、デジタル化がもたらすあらゆる機能によって、この地域は今後もこの分野をリードし続けることになると思う」とアル・ファーレフ氏は述べた。
「コネクティビティ、スピードなどが、産業、物流、旅行・観光業をサウジアラビア、そしてこの地域にもたらし、このデジタルプラットフォームを活用するための大きなイネーブラーになると思う」
アル・ファーレフ氏は、GCCの繁栄に楽観的であり続ける理由として、湾岸諸国がヨーロッパ、アジア、アフリカの交差点に位置していることや、インフラの急速な改善に触れ、「我々は、グローバル・バリューチェーンの再構築を可能にするインフラを持っている」と付け加えた。
バーレーンのサルマン・ビン・ハリーファ・アール・ハリーファ財務相は、GCCの成長によって多くの経済的な可能性が広がっていると述べた。
GCCは「2030年までに年間GDP(域内総生産)3兆ドルの経済圏になり、2050年までに年間6兆ドルの経済圏になる方向に向かっている。これが保守的な数字のマクロトレンドだ」とアール・ハリーファ氏は付け加えた。
「サウジアラビアはGCCのGDPの50%を占めており、その成長の大きな原動力となっている。地域全体の成長は、健全な政策、優れた実行力、そしてビジネスを簡素化し、非常に迅速な意思決定プロセスを確保することによって推進されており、その結果が成長に表れている」
アール・ハリーファ氏は、バーレーンはサウジアラビアや他の国々と同様に、将来を見据え、収入源と投資の多様化を進めていると述べた。
「バーレーンが力を入れているのは、銀行、通信・デジタルサービス、製造、物流、石油・ガス、観光の6つの部門であり、これらの部門にすべてを投入している」と付け加えた。
「現在、バーレーンではGDPの83%が非石油部門であり、経済最大の部門は銀行と金融である」
「我々が気づいたのは、手続きを簡素化し、政府が邪魔にならないようにし、民間部門が好きなペースで動けるようにすれば、物事は繁栄するということだ」
アル・ファーレフ氏は、湾岸諸国が互いの競争によって妨げられる可能性があるという指摘を否定し、次のように述べた。「現在、パイ(市場規模)は急速に拡大しており、競争は議論の対象にすらなっていない。誰もがサービス部門を成長させ、市場への参入を増やし、GDPを成長させようとしており、多くの相乗効果が生まれている」
カタールのアリ・アフメド・アル・クワリ財務相は、政府系ファンドが湾岸諸国の成長を促進する上で果たすべき役割を指摘し、政府系ファンドを「パワーハウス」、「GCC諸国の強みの一つ」と呼んだ。
政府系ファンドは、短期・中期的な投資では魅力的でないと見なされる可能性のある分野でも、「民間部門に投資し、共同投資することができる」ため、湾岸経済の将来にとって不可欠な存在であり、長期的な成長を促進するとアル・クワリ氏は述べた。
アル・クワリ氏は、これをサウジアラビアやバーレーンなどの国々のさまざまな国家開発戦略と同一視し、この「長期的な視点」が継続的な成功の鍵であると述べた。
しかし、同氏は、地域の不安定さがこの繁栄に脅威をもたらすと警告し、現在のガザでの紛争を懸念材料として挙げた。