

ディーマー・アルクダイル
ジッダ: 今年は各家庭がコロナウイルスによる制限のせいで家に閉じこもることを余儀なくされたため、多くの特別なイード関連の伝統が破られた。しかし、多くの人たちはテクノロジーが救いとなり、テレビ電話を通して家族や愛する人たちとの絆をいっそう深めている。
イード・アル・フィルトはサウジの人々が最も楽しみにしている行事だ。近くのモスクでイードの祈りを捧げ、新しい服をまとい、家の周りで乳香を焚く。そしてこの楽しい行事を祝うためライトや装飾物で飾り立てられた祖父母の家で、いとこたちと集まる。
王国はコロナウイルス感染病の拡散を阻止するため全国的なロックダウンに耐えているが、多くのサウジ人はイードの間の自分たちの気分がパンデミックによってぶち壊されるのを嫌がっている。家族の集まりでもそうでなくても、テレビ電話アプリの利用によって家族の関係は保たれ、愛する者たちはその絆をよりいっそう深めている。
イードの伝統を守っている者たちの1人、27才のモハメッド・カーヤットは、ジッダの外で暮らす一族とつながる方法を見つけた。彼は人気のテレビ会議プラットフォームZoomを使って、一族との楽しい競技会を生み出した。
「2つの箱を用意します。一つには簡単な質問を、他方には難しい質問を入れます。最初の箱の質問は、例えば『歌を歌うふりをしてください。もし誰かが何の歌か当てれば、あなたの勝ちです』とか、『ジッダが創建されたのはいつ?』とか、『おばあちゃんの17番目の孫は誰?』といったものです」と、彼はアラブニュースに話した。
カーヤットは、パンデミック中のイードでも、バーチャルな会合が利用可能な全ての人と過ごせる明るい面があることを強調した。
「それは楽しい機会になります。通常でもイードのお祭りに一族全員が同時に顔を合わせることはめったにないからです。一族の多くが異なる街で暮らしており、王国内にいない人さえいます。オンラインにはなりますが、全員が同時に集まる大きなチャンスなのです」
26才のルジャイン・アルジェハニは世界中が落胆しているにもかかわらず、一番良い服を着てイードを楽しむことを計画する。
「イード用の服でオシャレをするつもりです。メイクや髪、ネイルもします。いつものイードと同じように家をきれいにして全てのものを準備しますが、今年は1人の客も期待していません。自分の家族とだけ一緒に過ごします」と、彼女はアラブニュースに語った。
パンデミックの前、アルジェハニはいつもいとこたちとイードを過ごしていた。そしてたいていは祖母の家でこのお祭りを楽しんだ。今年も、自分と家族の気分は高揚したままだろうと彼女は言う。なぜなら、「イードであることは変わらない」からだ。
「自宅で家族と共に質の高い時間を過ごすつもりです。ボードゲームで遊んだり、音楽を聞いたり、一緒に朝食を食べたり、イードの飾りを飾ったりします。家族の中でイードの伝統を行いたいと思います。だって、イードであることは変わらないのだから。家族と一緒にイードを過ごすことを楽しみます。私たちが健康で一緒にいられることを神に感謝します」